闇株新聞[2016年]
2015年10月2日公開(2015年10月21日更新)
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正体は明かしていない。
人気ブログ「闇株新聞」で「オリンパス事件」「AIJ投資顧問事件」といった経 済事件をきっかけに、信頼のおける解説でコアな読者をつかんでいる。 ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン(DPM)で有料メルマガ『闇株新聞プレミアム』を配信。
著書に『闇株新聞 the book』(ダイヤモンド社)など。

闇株新聞[2016年]

闇株新聞編集部
 

『闇株新聞』は、新聞、雑誌などの大メディアの経済記者や金融業界関係者、プロ級の個人投資家がひそかに情報源にしている。連載『週刊闇株新聞』では、ダイヤモンド社グループの有料メルマガ・DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)『闇株新聞プレミアム』で配信しているディープな闇株的考察のダイジェストや「闇から暴く相場の真実」というスタンスのもと株、為替、日本国債、世界経済の今後などについて解説していきます。

闇株新聞編集部

フォルクスワーゲン不正問題は、日本のチャンス!
今こそ日産自動車をルノーから取り戻せ

 日本株や為替、世界経済に潜む闇を白日の下にさらけ出し、明快かつ独特な視点で切り込む刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」。今回はアメリカで発覚したフォルクスワーゲンの闇の深さと、今こそ日本が官民あげてとるべき策について大胆に考えてみました。

経済問題を超え政治問題に発展する可能性も!?

 フォルクスワーゲン(以下、VW)がディーゼル車の排ガス規制を潜り抜けるために不正なソフトを搭載していた問題は、世界中で販売された最大1100万台が対象となる会社ぐるみで大掛かりで悪質な不正であったことが明らかになりつつあります。

 今後、世界中でリコール・刑事事件・巨額罰金・集団訴訟の嵐となるでしょう。直感的にはVWは現体制を維持できず、何かしらの組織再編になると考えます。ユーロ圏で独り勝ち状態だったドイツ経済にとっても大打撃で、単なる経済問題を超えて政治問題に発展する可能性すらあります。

 日本でも(今のところ問題となる車種は正規輸入されていないとはいえ)、「排ガス」という人命にも関わるところで不正を働いて巨額利益を上げ続けてきた企業姿勢は、厳しく問うていくべきでしょう。VWは米国企業でも(日本にシンパの多い)中国の企業でもないため、遠慮する必要はありません。

独り勝ちとなるトヨタは足を引っ張られぬよう注意

 一方で、自動車産業は日本にとって数少ない世界的競争力を持つ業種であり、この「敵失」はチャンスです。中国経済の減速や今回の不正問題で、欧州自動車業界は大きく混乱し、株式はさらに売り込まれることが考えられます。日本は官民を挙げて、この機に乗じるべきです。

 では、どういったことが考えられるか。VWはグループ全体で製造・販売台数が1000万台を超え、トヨタ自動車と世界のトップを争っています。今回の騒動発覚後、VWの株価は約4割下落して直近の時価総額が494億ユーロ(6.6兆円、9月28日現在)、トヨタ自動車の時価総額は22.9兆円(9月29日現在)なので、時価総額だけ見ればトヨタ自動車がVWを傘下に入れることも可能です。

 しかし、VWの現在の株主構成(ポルシェ創業家が50.7%、地元のニーダーザクセン州が20%、カタール投資庁が17%)では現実的ではありませんし、意味もありません。それどころかこれで独り勝ち確実となれば、世界中で足を引っ張られる恐れも出てきて、別の意味で注意が必要です。

日本はこの機に乗じて仏ルノーから日産自動車を取り戻せ!

 そう考えると、やはりルノーに行きつきます。ご存じの通り現在のルノーは日産自動車の支配権を握っています。にもかかわらず、その時価総額は直近で184億ユーロ(2.4兆円)しかありません。今こそ日産自動車を取り返すチャンスです。

 なぜ、ルノー傘下のままではいけないのか!? このままでは日産自動車がルノーに食い尽くされ、残骸になってしまうからです。『闇株新聞プレミアム』では2014年4月から、断続的にこの問題について取り上げてきました。

 ルノーは、日産自動車が強力な労組を巻き込んだ社内抗争に明け暮れ経営危機に陥っていた1999年から、第三者割当増資などを通じて株式を取得しました。細かな計算は割愛しますが、ルノーが日産自動車株の取得に要した費用は、これまでの配当や払い込み等ですっかりペイしています。

 ルノー傘下となってからの日産自動車は、資産を切り売りされ、将来の成長に必要な投資も抑制されてきました。一方で、ルノーが行ってきたロシアのアフトバス買収やモロッコのタンジール工場建設費用の費用を負担させられるなどしてきました。これらは日産自動車にとってほとんどメリットのない投資です。

 最近になって日産自動車からは優秀な幹部が続々抜けており、カルロス・ゴーン社長の独裁体制がますます強まっています。ゴーン社長の報酬は10億円ちかくもあり、その報酬はもちろん会社=株主の負担なのですが、どうも日本にはそのことを問題と考えている人が多くはないようです。本当にこのままでいいのでしょうか?

 今回のVWの不正問題の影響で、ルノーの時価総額は約184億ユーロ(約2.4兆円、9月29日現在)まで落ち込んでいます。ここからルノーが保有する日産自動車の時価総額2兆円引くと、4900億円しか残りません。

日産自動車による親会社ルノーの逆買収に勝算あり

 ルノーの株主構成はフランス政府が15%、日産自動車が15%(ただし議決権なし)です。ここから考えられる方法は一つしかなく、日本政府がフランス政府に働きかけて、日産自動車がルノーにTOBをかけることです。目標の持ち株比率は35%の買い増しによる50%前後です。

 ルノーの本年1~6月の純利益は前年同期比20倍の7億4900億ユーロ(1018億円)でしたが、この間の日産自動車の期間純利益の持ち分が1000億円以上あるはずで、要するにルノー単体では利益が出ていないことになります。2013年は単体で大赤字でした。

 フランス政府はゴーン氏によるルノーの舵取りに満足していない向きがあり、ルノーの株主にメリットがあれば不可能ではないと考えます。「合併」としなければ(合併するとルノー保有の日産自動車株が消えてしまい自社株買と同じ効果となる)ルノーはあくまでもフランス企業のままです。

 要はルノーの下に日産自動車があるのと、日産自動車の下にルノーがあるのとでは、どちらが企業価値の増加に結び付くかの選択です。日産自動車には10兆円の流動資産があり、また低金利での資金調達も可能です。フランス政府の協力が得られれば、必要な資金はもっと少なくなるでしょう。

 日産産自動車がルノーに吸い上げられている各種ベネフィットを取り戻すだけでも、日本にとっては格好の景気対策になるはずです。つまり、日本にとってもフランスにとっても、「悪くない話」だと思うのです。

 アメリカで発覚したドイツ企業の不正が、フランス企業が保有する日本企業の買戻しにつながる――突拍子もないことのように思われるかもしれませんが、世界経済はときにダイナミックに動くもので、枠にとらわれず大胆な視点で見渡すことも必要です。

『闇株新聞プレミアム』ではますます広がっていきそうなフォルクスワーゲン不正問題について、既存メディアにはない独自の視点・切り口から、さらに深堀りしていきます。

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