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USJ買収劇の裏に再上場への「待った」

週刊ダイヤモンド編集部
2015年10月5日
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9月28日、USJは大阪市内で急きょ記者会見を開き、新体制を発表した。グレン・ガンペル社長(左から3人目)は買収完了時点で退任する Photo:JIJI

大阪の人気テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」が米メディア大手の傘下に収まった。その背景には国内で再上場を検討したものの、かつてMBOを行った経緯から、東証が「待った」をかけたことがあるようだ。新体制ではパークの収益向上と、新事業の開拓という難しい課題が突き付けられている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)

 大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営するユー・エス・ジェイ(USJ)の発行済み株式51%を、米国のケーブルテレビ最大手コムキャストが買収する。買収額は15億ドル(約1830億円)で、11月にも完了する見込みだ。

 コムキャストは映画やテーマパーク事業を行うNBCユニバーサルの親会社。買収完了後は、10年にわたってUSJを再建したグレン・ガンペル社長が退任し、後任には米ユニバーサル・パークス&リゾーツのジャン・ルイ・ボニエ最高財務責任者(CFO)が就く。

 9月末に大阪市内で記者会見した関係各社幹部らは、今回の狙いについて、「USJが成長し続けるためのベストな決断をした」と強調した。

 USJは昨年夏、450億円を掛けて「ハリー・ポッター」エリアを新設。その他の施策も好評で、2014年度の入場者数は前年度に比べて2割増の1270万人となり、過去最高を更新した。

 好調な業績を受けて検討されていたのが東京証券取引所への再上場だ。5月末には書類を申請、早ければ9月にも上場する計画だった。時価総額は数千億円規模と予想され、日本郵政グループと並ぶ大型案件として注目を集めていた。

 ところがその後、コムキャストの買収により事態は急変。再上場は見送られることになったのだ。

 証券関係者の話を総合すると、背景には東証幹部の“鶴の一声”があったようだ。

 振り返るとUSJは07年に東証マザーズに上場したが、わずか2年後に米ゴールドマン・サックス(GS)と合同で全株式をMBO(経営陣による買収)し、上場廃止している。

 当時、日本企業の間では、株価が低迷していたこともあって、MBOブームが起こっていた。経営陣は株主の目を逃れられるし、買収コストを抑えられるからだ。

 これに対し、東証サイドは「安易なMBOと上場廃止は、“企業のご都合主義”」と批判的なスタンスで、USJのMBOも快く思っていなかった節がある。

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