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日本にノーベル賞ラッシュも
基礎研究支援にはなお課題

週刊ダイヤモンド編集部
2015年10月12日
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ノーベル賞を受賞した大村智氏(左)と梶田隆章氏 Photo by Hiroyuki Oya

 相次ぐ日本人のノーベル賞受賞に列島が沸いた。2015年のノーベル生理学・医学賞に北里大学の大村智特別栄誉教授が、物理学賞に東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章教授が選ばれた。いずれも精緻な実験を長期間にわたってこつこつと積み重ねる、日本のお家芸ともいわれる研究スタイルが呼び寄せた吉報だ。

 大村氏の受賞理由は寄生虫感染症の治療法の開発。研究成果から生まれた治療薬「イベルメクチン」は世界で年間3億人が使用するまでになったが、発見に至るまでの道のりは“地味”な作業だ。

 あらゆる場所からランダムに土を採取して研究室に持ち帰り、「年間で2000株」(大村氏)もの微生物を培養して分離する。そして、微生物が作る化学物質に使えそうなものがあるかどうかを調べ続けた。地道な作業を通じ、今回のイベルメクチンのほかにも、大村氏は450種以上の新たな化学物質を見つけ出し、25種類以上が医薬品などに実用化されている。

 一方、梶田氏の受賞理由はニュートリノに質量があることの発見だ。こちらはいわば“待ち”の研究で、5万トンもの超純水を蓄えた巨大な水槽で、ニュートリノが通ったときに発するわずかな光を捉え、そのデータをひたすら解析していった。

 ニュートリノに質量があることを示す「ニュートリノ振動」の兆候をつかんでから、「間違いない」と証明するまでに約10年かかった巨大なプロジェクトである。

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