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新築よりもリフォームが主流に!?
住宅リフォーム市場が熱さを増す理由

吉崎誠二 [ディー・サイン不動産研究所所長、不動産エコノミスト]
【第17回】 2010年4月26日
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 衛生陶器最大手企業であるTOTO社が4月20日に発表した2010年3月期の決算によると、連結最終利益が8億円の黒字(前期は▲262億円、予想値は±0円)となったようだ。

 発表の際、その理由として決算期間の最終四半期である2010年1-3月の国内リフォーム関連商材が想定以上に伸びた事を挙げている。また、それに連動するように株価も好感触で推移している。また、ライバル社であるINAX社においても同様に、リフォーム向け商材が好調のようだとメディアが報じている。

 住宅設備系メーカーは、国内での新築着工戸数の増加が見込めないことから、今後の主たる市場として国内のリフォームとアジア各地、そして、報道によるとTOTO社は欧州地域をも視野に入れているらしい(社長がマスコミインタビューに答え、欧州地域でのM&Aでの企業買収も画策しているようだ)。このように住宅リフォーム市場は年々拡大し、ますます熱くなっている。

大手ハウスメーカーが続々進出
リフォーム事業で長期的に顧客獲得

 さて、住宅リフォーム売上の上位企業には、大手ハウスメーカー系の名前がずらっと並ぶ(唯一の例外は“新築そっくりさん”でおなじみの住友不動産)。各社とも年々売上を伸ばしており、自社で建築した顧客に対して、うまくフォローしているといえる。

 しかし、かつては新築住宅のアフターフォローとしてのメンテナンスと純粋なリフォームの線引きが付けにくく苦戦していた。リフォームの案内チラシやDMを送付すると、「それより早くメンテナンス(引渡し時からの不具合を修理)をしに来てください」という電話が何本もかかってきたという。

 営業担当者が現状を把握して見積書を提出しても、「えっ、無償じゃないの」という反応も多かったようだ。また、新築住宅に比べ客単価の低いリフォームは社内でも軽く(?)見られていた。こうした状況に対して変革をもたらした原動力はハウスメーカー各社の「これからはストックビジネスが主流にならざるをえない」という危機感だ。

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吉崎誠二 [ディー・サイン不動産研究所所長、不動産エコノミスト]


早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。船井総合研究所上席コンサルタント・Real Estateビジネスチーム責任者を経て、現在、ディー・サイン不動産研究所所長に就任。不動産関連企業・ハウスメーカー・設備関連メーカーなどを中心にコンサルティングを行う傍ら、不動産エコノミストとしてデータ分析、一般・投資家・企業向けの講演を多数行う。著書に『2020年の住宅・不動産市場』(朝日新聞出版)『「消費マンション」を買う人 「資産マンション」を選べる人』(青春出版社)など9冊。連載はダイヤモンド・オンラインをはじめ、各種媒体に月間6本を担当。オフィシャルサイト&ブログ http://yoshizakiseiji.com/blog/

 


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