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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

密航者受け入れ国となった中国にのしかかる課題

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第263回】 2015年10月15日
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 先日、パソコンを立ち上げて最新ニュースをチェックしたら、中国のメディアがアップしたあるニュースの内容に目を奪われ、感慨深いものが胸に去来した。

 「深センの30平米の狭い部屋に26名のベトナム密航者」と題するニュースの内容はだいたい次のようなものだ。

金儲けを夢見て、密航者たちは中国を目指す

 このほど駐広東および香港の境界の辺防(国境)警備六部隊は10月9日、ベトナム国籍の密航容疑者を26名捕え、重大な外国人密航事件を解決したと発表した。

 10月9日正午,調査員がねらいを定めたエリアで、逮捕計画に基づき、隊員を四手に分け、深セン南山区白石洲東二坊にある貸家付近に待ち伏せさせた。17時20分ごろ、部隊長の命令に従い、長時間待ち伏せしていた隊員が一斉に駆け寄り、貸家の鉄門を一瞬で突破し、30平米に満たない狭い部屋に26名の密航容疑者らがすし詰め状態になっているのを発見した。

 部屋の中は荒れていて、設備も極めて貧しく、乱れ放題だった。隊員らは速やかに現場をまとめ、その26名の密航容疑者を連行した。

 初回の取り調べによると、密航容疑者26名のうち男性が16名、女性が10名、すべてベトナム国籍だ。多くが血縁または親族関係にあり、そのうち夫婦関係と兄弟や親子関係がそれぞれ2組いた。1990年代生まれが半数以上を占め、最年少者はわずか14歳だった。

ベトナムの10倍以上の給料と言われ
「金儲け」の誘惑にかられた密航者たち

 取り調べていくなかで、ベトナム国籍の1人の男性がなまりのある中国語で、調査員に次のように白状した。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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