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キーワードは「定番+濃厚味」!
お馴染みの菓子が売り切れる訳

週刊ダイヤモンド編集部
2010年4月30日
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 4月に発売された二つの菓子が大ヒット中だ。一つは亀田製菓の「ハッピーターン」。もう一つは明治製菓の「チェルシー」だ。どちらも発売から30年以上経過した老舗ブランドの定番商品。ただし、正確に言うと大ヒットしているのは前者が「パウダー250%ハッピーターン」、後者が「チェルシーチョコレート」という派生商品だ。

 国民の多くが、いずれの商品も口にしたことがあるはずだが、今回のヒットの理由は、そうしたブランドと味への信頼感を活かしつつ、その定番味を「濃厚」にアレンジしたことにある。 

 ハッピーターンは「ハッピーパウダー」と呼ばれる煎餅を包む“粉”がファンを虜にしていたが、昨年5月にこの粉を200%増しにした派生商品を出してヒットさせていた。今回はそれを上回る粉の量を250%増しにした商品を送り出し、一部のコンビニエンスストアで先行発売してファンを狂喜させている。

 チェルシーはバター味などの濃厚なキャンディーが特徴だが、チェルシーチョコレートは、その名のとおりに、チェルシーをミルクチョコレートに混ぜ合わせたものだ。

 こうして、ひと工夫を凝らした定番商品は、既存のファンと新たなファンを呼び込み、店頭では品薄状態となっている。また昨今の特徴として、ブログやツイッターなどで、「食べてみました」といった感想が書かれるが、土台が定番商品だけに新商品を口にしたことのない人でも味をイメージしやすいようで、「そんなの出たの!」「食べてみたい」といった関心や共感を呼びウェブ空間でも盛り上がりを見せている。

 「定番+濃厚味」という流れは菓子業界だけではない。たとえば即席メンでは、4月下旬に「濃厚煮出し豚骨醤油」(日清食品)、「サッポロ一番 濃い味 みそラーメン」(サンヨー食品)が新発売された。乳製品でも、日本ミルクコミュニティは3月末にコーヒーゼリーを濃い味にし、商品名も「クリーム&エスプレッソ」から「濃厚コーヒーゼリー」とストレートな名前に変えた。グリコもアイスの定番「ジャイアントコーン」をチョコ増量などで濃厚にした「ジャイアントコーン プレミアムアイス」という“高級版”で価格引き上げを狙う。

 ある食品業界関係者は「マクドナルドで重厚で濃厚なハンバーガーが売れているように、消費者は世の中の健康志向一辺倒に飽きてきて、濃厚な味わいを欲していたようだ」と見て、「定番商品は味への信頼感があるので、その濃厚版と聞くと、ついつい口にしてみたくなるのでは」と分析する。定番商品の派生商品なら小売店にも置いてもらいやすいというメリットもあるようだ。

 こうした流れに乗って、すでに食品業界では今後発売予定の「濃厚味」商品が複数ラインアップされている。往年の「激辛ブーム」のように、一時的なブームで終わる可能性も否定できないが、夏商戦に向けて刺激的な濃厚味商品が増えることは間違いなさそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木豪)

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