
最近、何かに感動することが少なくなったという人は、要注意だ。大ヒット漫画『ドラゴン桜』を手掛けた編集者・佐渡島庸平によれば、そんな人には“ある重要なスキル”が足りていないのだという。仕事や人生を面白くするために、私たちはどのように努力したら良いのだろうか。※本稿は佐渡島庸平『観察力を高める 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか』の一部を抜粋・編集したものです。
仕事がうまくいかないのは
あなたに観察力がないから
観察力こそがドミノの1枚目だと考えているのは、それが一番応用がきく能力であるからだ。だからこそ、観察力を鍛えることが仕事の成功はもちろん、人生そのものを豊かにすると、僕は考えている。というよりも正確には、人生を豊かにしたいから僕は観察力を鍛えている。こちらのほうが、感覚的に近いと言える。
たとえば、日本には雨に関する言葉が400種類以上あると言われている。春雨、五月雨、梅雨、秋雨などである。パラパラ、ショボショボ、ポツポツ、シトシト、ザーザーなど、雨が降っている様子を表す言葉も含めると、その数はさらに増える。
でもこの400種類の言葉、果たして日本人全員が知っているかというと、そうではない。雨がよく降る地域で暮らす人たちのほうが、雨があまり降らない地域の人たちよりも知っていることだろうし、雨に対して興味をもっている人のほうが興味のない人よりも知っている。
同じことが他の要素でもいえる。たとえば、雪。