卒業してから
自慢できるクラスをつくる

―MC型の授業をはじめ、沼田先生が実践している教育のスタイルで、子どもたちにはどうなってほしいと思っていますか。沼田先生の教師としてのゴールをお聞かせください。

ぬまた・あきひろ
1975年、東京生まれ。国立大学法人 東京学芸大学附属世田谷小学校教諭、学校図書生活科教科書著者、ハハトコのグリーンパワー教室講師。東京学芸大学教育学部卒業後、インディアナ州立ボールステイト大学大学院で学び、アメリカ・インディアナ州マンシー市名誉市民賞を受賞。スポーツ経営学の修士を修了後、同大学職員などを経て、2006年から東京学芸大学附属世田谷小学校へ。児童の自主性・自立性を引き出す斬新でユニークな授業が読売新聞「教育ルネッサンス」に取り上げられて話題に。教育関係のイベント企画を多数実施するほか、企業向けに「信頼関係構築プログラム」などの講演も精力的に行っている。
【twitter】@88834

沼田 どうなってほしいというのはあまりありませんが、子どもたちが卒業して、いろんな人と出会って、小学校の頃の話をするときに「やっぱりウチのクラスが1番だな」と毎回思ってもらえたらいいですね。だからこそ、何かに熱中した記憶とか、小さくてもいいから成功体験を持たせてあげたい。良い成功体験って、何にでも勝っちゃうと思うんですよ。小学校のときにああやってできたんだから、今度もできるはずだとか、失敗しても、違うやり方を試せば成功へのチャンスが広がる。それを経験として知っていると、大人になってからも強いと思うんですよ。

 学校が、社会で生きていくための力を身に付ける場所だとすれば、小学校でできることって実はたくさんあると思うんです。努力が報われることを知っていること、他者の成果を素直に喜べることって、社会にうまく適応するための資質になるはずです。そして何よりも、小学校は、失敗や、うまくいかないことを何度でも繰り返せる時間と環境が用意されています。「何でもやっていい」という時期は人生の中でそれほどありません。そこで自分の好きなことや得意なことを見つけて熱中できたら、必ず何かが自分の中に残るはずなんです。その何かが一人一人違うということが大変なんですけど、それこそが教師の仕事の醍醐味だと思っています。

<沼田先生の出張授業>
沼田先生の授業が先生の学校に入学しなくても受けられます。


現在、沼田先生は再生可能エネルギーをテーマにした出張授業
「ハハトコのグリーンパワー教室(主催・千趣会)」を全国の小学校で開催しています。

太陽光、水力、地熱、風力、バイオマスの各キャラクターをつかったCMづくりを通して、再生可能エネルギーの現在・未来を学ぶ授業です。
授業の詳細・お申し込みははこちらのウェブサイトで
http://www.senshukai.co.jp/main/top/green/school.html
これまでの授業の様子もご覧いただけます。