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陳言の選り抜き中国情報

勃興する中国のサービス業に
ベンチャーキャピタルも殺到

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2015年10月30日
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 中国は現在、産業構造を大きく転換する最中にある。製造業、とくに沿海部の製造業は、労働力不足、労賃の高騰、電力水道費用の上昇などによって、多くの企業が困難に直面している。

 一方、淘宝(タオバオ)などのeコマース、宅配便などの物流は、中国の津々浦々までネットワークを張り、サービス業は新しい形で速く、大きく成長している。

配車アプリ、微信が普及
eコマースへの投資が急増

 日本と違ってJRや地下鉄などの公共交通機関がまだ十分普及していない中国では、タクシーがよく使われている。ここ一、二年で海外のアプリを含めて、配車アプリは、都会で会社勤めのほぼすべての人が使うようになっている。

 中国既存のタクシーサービスはけっして褒められるものではない。搭乗拒否、タクシードライバーが自分の好きなラジオ番組を聞き、無線でほかのドライバーと談笑することは、ごく当たり前のことである。しかし、新規に参入してきた配車アプリによって提供されたサービスは、少なくとも既存のタクシーサービスとは違い、少しは近代都市のサービスとなってきた。

 このほど、中国消費者報など消費者権利擁護を掲げている31団体が共同で「配車アプリのサービスと消費者権利の保護」に関するアンケート調査を実施した。その結果、配車アプリは消費者に歓迎されており、65.5%以上の回答者が利用経験を持ち、8割近い回答者が利用したいと答えた。7割を超える回答者が配車アプリサービスに「満足」、「非常に満足」と答えた。

 配車アプリのほかにも、騰訊(テンセント)傘下の「微信」(WeChat、日本のLineに相当)は、中国で大流行している。昨年年末の公式統計ではユーザーはすでに7億人を超え、そこからいろいろなサービスも生まれている。配信アプリはもちろん、友人へのお金の振り込み、公共料金の支払いなども微信を使って行える。

 微信も非常に収益が高い。市場研究公司Activateがこのほど発表したデータによると、微信はユーザー1人から7ドル(約845円)の収入を得ており、これは世界のSNSの中で前例のない高水準だ。韓国のカカオトークは4.24ドル(約512円)、日本のLineは3.16ドル(約381円)だという。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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世界第2位の経済大国になった中国は、依然として猛烈なスピードで変化している。一方、中国にはウェブ系も含めると、何千というメディアが存在し、情報が溢れかえっている。北京在住の経済ジャーナリスト・陳言氏が玉石混交の情報の中から、中国の対外関係、多国籍企業、技術革新、中国の経済政策など日本経済や日本企業に影響を及ぼす情報を選りすぐり解説する。そこからは日本のメディアが伝える中国とは、違った姿が見えてくる。

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