ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

日本製品をアプリで爆買いできる
中国EC企業の急成長が止まらない

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第264回】 2015年10月29日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 数ヵ月前に、浅草のあるマンションの一室のドアを叩いた。そこにオフィスを構えているネットショッピング会社を訪問するためだ。

 室内に入ると、普通の3LDKの住宅をオフィスにしていることがすぐにわかった。がらんとした室内の窓際に数人が座って作業している。壁の一角に中国系のネットで売れ筋と言われる商品が無造作に置いてある。応接室も安物の机と椅子とホワイトボードだけが置いてある。1995年、私が事務所を立ち上げたときの光景を彷彿させた。

 その会社の名はbolomeだ。中国語では波羅蜜となる。明らかにその発音を念頭にして考案した中国語社名だ。代表者の陳少春氏は在日中国人社会で知られていた「小春論壇」というサイトを作った創設者で、Ctrip(携程網)ホテル事業部の日本法人元代表も務めていた。社員数は20名ほど。

動画配信アプリを使って
化粧品が日本と同じ値段で買える

 波羅蜜とはパラミツのことを言う。「ジャックフルーツ(Jackfruit)」とも呼ばれる。インド原産の常緑高木で、果実は40kgにもなる巨大なものだ。熱帯地域でよく栽培されている。東南アジア諸国を訪れると、仏教寺院に植えられているパラミツの巨大な果実が幹からぶら下がっている光景を目にする機会がよくある。この会社はこの熱帯フルーツの名前を社名にした。

 食べ物を社名やサイト名にすることは中国ネットビジネス分野ではよく見られる現象の一つだ。その一例は動画専門の「土豆網」(ジャガイモ・ネット)だ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」

⇒バックナンバー一覧