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小宮一慶の週末経営塾

リーダーとは「責任をとる覚悟がある人」のこと

小宮一慶
【第25回】 2015年10月31日
著者・コラム紹介バックナンバー
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業績悪化を
景気のせいにしていないか?

 私の愛読書の一つ「ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則」(ジム・コリンズ著)に、飛躍的に企業を成長させたリーダーの特徴として、「窓と鏡」と名付けた思考様式を紹介しています。

小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 それは「成功を収めた時は窓の外を見て、成功した要因を見つけ出す。結果が悪かったときは鏡を見て、自分に責任があると考える」という思考です。

 松下幸之助さんも同じ事を言っています。「成功は運がよかったから。失敗は自分に力がなかったから。そう考えて経営をやってきた」(「松翁論語」)。成功した時はおごらず、失敗した時は謙虚に反省をする姿勢がリーダーには求められているのですが、ダメなリーダーは逆のことをしがちです。

 つまり成功したら鏡を見て自分には素晴らしい能力があるとニタニタし、失敗したら窓の外、つまり自分以外の要因に責任を転嫁して部下を叱りつけたり、顧客や景気のせいにする。こんなリーダーに従う部下はいません。

 人間の本質は「自己中」なのため、生き方の勉強をせず正しい姿勢が身についていないリーダーほど、うまく行かない時に周囲に原因を求めたり、責任を転嫁しがちです。「景気が悪いから赤字になった」と嘆くリーダーがいます。

 確かに景気の影響を受けやすい業種もありますが、それでも同業他社と比べて赤字幅を抑える経営はできるはずです。逆に景気が良い時にそこそこの好業績を上げて胸を張るリーダーもいます。そんなことは自慢にもなりません。

 私は昔、大先輩の経営者に「環境利益」という言葉を教えていただきました。景気が良い時は誰が経営しても利益を上げられる。それが環境利益です。自己中な経営者は景気の良い時の環境利益を自分の実力と勘違いし、景気が悪くなって業績が悪化すると他人に責任を転嫁するのです。

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小宮一慶

京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は100冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。


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経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。

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