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校條浩 IoT産業革命
【第9回】 2015年11月11日
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校條 浩 [ネットサービス・ベンチャーズ マネージング・パートナー]

IoTは、すべての産業で世界を“フラット”にする

 トーマス・フリードマンが著した“The World is Flat”という本がベストセラーとなったのはちょうど10年前のことだ。ITの飛躍的発展によりインドや中国がグローバル規模での競争力を持つようになる、というものだ。知識やアイデアは瞬く間にグローバル規模で共有され、イノベーションに地理的制約が無くなる、と予言した。そして今、いよいよすべての産業で「世界がフラット」になりつつある。その推進力(そして破壊力)がIoTなのである。

 IoT(モノのインターネット)は、モノとネットの融合と言われているが、実は、新たな仕組みやサービスを考えるのはソフトウェアやサービス系の人たちで、その実現のためにハードウェア系の人材がそこに加わる順番になっている。

ソフトウェアの文化で作る
ハードウェアの台頭

 過去20年はアメリカのソフトウェアとネット系産業の勝利の歴史だった。今、その勝利者たちがソフトウェアからハードウェアに手を広げようとしている。ハードウェアが進化し、複雑な回路がモジュール化され、しかもスマートフォンの世界的普及による巨大な生産量のおかげで部品のコストが格段に下がったことで、ハードウェアの経験のない人でも手軽に扱えるようになった。

 ハードウェア系の人たちは「最終的に動くか」ということを最初から心配しながら最初から細部を徹底的に検討するのに対して、ソフトウェア系の人たちはまず大局的にアーキテクチャーを描いてからすぐにプログラムを作ってしまう。細かい修正は後から何回でも繰り返す。このようなソフトウェア開発の文化の延長でハードウェアを開発しようとする動きが最初のIoTベンチャー興隆の波を作った。

 ソフトウェア開発ではすでにインドなど国の壁を越えた開発の国際協業が普通になっているが、それがベンチャー企業のハードウェアの開発にも広がりつつある。

 ベンチャーを短期間で立ち上げるための「学校」のような仕組みである「アクセラレーター」が流行っているが、ハードウェアに特化したアクセラレーターが出てきた。

 現在アメリカ国内に20ほどあるが、その半分がシリコンバレーに集中している。選ばれた起業家グループに少額(5万ドル程度)の資金を提供し、3~6ヵ月の期間に開発に邁進し、プログラムの最後で「デモデー」と呼ばれる卒業発表会で成果を発表する。発表会にはベンチャー・キャピタルが出席し、卒業後のベンチャー資金調達にしのぎを削る。

SPECIAL TOPICS

 

校條 浩(めんじょう・ひろし)[ネットサービス・ベンチャーズ マネージング・パートナー]

東京大学理学部卒、同修士課程修了。マサチューセッツ工科大学(MIT)工学修士。小西六写真工業(現コニカミノルタ)にて写真フィルムの開発に従事。その後MITマイクロシステムズ研究所、ボストン・コンサルティング・グループを経て、1991年にシリコンバレーに渡る。1994年よりマッケンナ・グループのパートナーに就任。2002年に「ネットサービス・ベンチャーズ」を創業し、シリコンバレーでのベンチャー投資・インキュベーションと日本企業への事業コンサルティングを進める。2012年より大阪市特別参与、2013年~14年に同特別顧問。シリコンバレーから大阪に出向く異色のアドバイザーとして活動。関西初の独立系グローバルベンチャーキャピタル「ハックベンチャーズ」を設立。スタンフォード大学STAJE顧問、Japan Society US-Japan Innovation Award委員会理事、Silicon Valley Japanese Entrepreneurs Networkボードメンバー。主な共著書に『ITの正体』『シリコンバレーの秘密』(インプレス)、『日本的経営を忘れた日本企業へ』『成長を創造する経営』、訳書に『リアルタイム』『スマート・カンパニー』(いずれもダイヤモンド社)など。日経産業新聞においてコラム「新風シリコンバレー」を連載中。


校條浩 IoT産業革命

今までの20年は、ソフトウェア、ネットワーク、インターネットを中心に新産業を創出したアメリカが一人勝ちであった。これからの20年は、IoTが新産業創出のキーワードとなる。本連載では、IoT という新たなイノベーションの潮流と、それによりもたらせる産業革命について、シリコンバレーの現場から報告する。

「校條浩 IoT産業革命」

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