『社会貢献』を買う人たち
【第20回】 2010年5月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
竹井善昭 [ソーシャル・ビジネス・プランナー/株式会社ソーシャルプランニング代表]

男より、エネルギッシュで潔い!?
社会貢献に挑む「男前な女性社長」たち

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 社会貢献について、どうしても分からない疑問がひとつある。なぜ、男性よりも女性の方が社会貢献に関心が高く、意欲的で、行動的なのか? という問題である。

 50代以上の男性からすると、社会問題に対する関心は女性よりも男性の方が高いという印象があった。国際政治や経済問題に関心を示すのは男性で、女性はファッションやグルメなど個人的なことにしか興味がない。そんなイメージだった。女性向け商品に社会的なメッセージを盛り込むことなど考えられなかったし、20年くらい前に創刊された文藝春秋社の「CREA」は、当初は女性向けジャーナリズム雑誌を目指していたはずだったと記憶しているが、わりと早い段階で普通の女性誌になってしまった。

 それがいつの間にか、女性の方が社会的関心度が高くなったように思える。朝日新聞社の「AERA」など、完全に女性向けジャーナリズム雑誌になった感がある。少なくともオヤジどもの関心が国内政治と国内経済に向いている一方で、女性の関心はグローバルな環境問題や社会問題に向いている、という傾向はある。男性の方が比較的内向きなのだ。

 さらに女性の場合は、グローバルな問題意識が自分たちの生活感覚に結びついているという側面もある。自分たちの子育てと環境問題と日本の農業問題が直結しているのが女性の社会意識の特性で、男性はこれらを感覚的に結びつけることは難しい。

 筆者も男性だし、フェミニストでもないので、あまり女性ばかりを褒めたくはないのだが、事実がそうなのだからしかたがない。これが、社長レベルになるとその差が際立ってくると思われる。

 最近は女性起業家も増えてきたが、このような女性はほぼ例外なく、社会貢献に関心がある(少なくとも筆者が最近出会った女性起業家はそうだった)。もちろん、社会貢献に関心の高い男性起業家も多いし、男性の社会起業家も増えている。しかし、いまだに世の中には、社会貢献と聞いただけで拒否反応というか、いやそうな顔をする人も多くて、そのような人の多くは男性起業家だ。その理由は何だろうと思い、女性起業家を取材してみた。

1日で数百億円を動かす女。
勝ち組人生の中で感じた疑問

 楠田佳世さんは、不動産投資会社と女性向けレンタルブティックの会社を経営している。かつては、世界最強の金融会社と称されるゴールドマン・サックス(以下、GS)で、リレーションシップ・マネージャーを務めていた。これは、さまざまな決済資金をマネージメントする仕事で、GS全体の調達額は1日2000~4000億円。その一部の銀行借り入れの部分約800億円を、その日のディールにあわせて調達するのが楠田さんの仕事だった。毎日、数百億円を動かす女。それが楠田さんだった。 

 当時は、まさに外資系金融会社の時代で、東大生が官僚にならず外資系に流れてしまうということがメディアでも報道され、人材の国外流出が社会問題になりかけていた時代だ。楠田さんもまさに時代の寵児だった。最先端の仕事と破格の高収入。外資系金融マン、弁護士、商社マンなどが集まる合コンでも人気絶大、引っ張りだこだったという。完全な勝ち組人生だ。

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竹井善昭 [ソーシャル・ビジネス・プランナー/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・プランナーとして女子大生、カフェ・バー、カラオケ、インターネット、韓国ドラマなど、その時代の流行に乗っかるような仕事ばかりしてきた。そろそろ社会のために役立つ仕事をしたいと考え始めた頃に、社会貢献ブームがやってきた。今は、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして、社会と企業とNGOの発展のために仕事をしている。史上最大の教育インフラ提供NGO「ルーム・トゥ・リード」ビジネスディベロップメント委員会共同リーダー。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ
社会貢献ビジネス専門 ~Global Good News Blog
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


『社会貢献』を買う人たち

「自分のための消費」から、「社会と繋がるための消費」へ――。こうした新しい消費のカタチがいま、日本のマーケットを大きく変えようとしている。当連載では、この「ソーシャル消費」の最前線を、毎回具体的な事例とともに徹底リポートする。

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