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子ども手当を狙う金融商品

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第130回】 2010年5月19日
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 今年の6月頃から子供一人当たり1万3千円支給される「子ども手当」。原則論としては「好きなように使えばいい!」。

 何らかの借金がある人は、たぶんその返済に充てるのが最も効率がいいだろうが、それを除くと、子供の習い事に使おうが、食費に使おうが、それでストレス解消が出来るなら母親のパチンコ代に使おうが、何ら問題はない。どれがいいと、優劣をはっきりと、まして他人が決められる問題ではない。

 給付金型の福祉のいいところは、その使途に制限を付けずに、一定の経済力を(公共事業などよりも)遙かにローコストで公平に配ることができる点だが、ここが予算支出に自分達の利権を絡めたい官僚集団に嫌われる点でもある。

 また、一方で市場原理の優位を説きながらも、子ども手当に関しては教育クーポンで配れ(母親がパチンコに使わないように?)などという、一貫性のない狭量を示す人もいるようだが、先ずは「余計なお世話だ!」と申し上げておこう。

 さて、「余計なお世話だ」と言われたぐらいでは引き下がらない人達がいる。金融マンである。顧客にとっての「毎月1万3千円の新たなお金」は、彼らにとって大きなビジネスチャンスだ。彼ら(彼女ら)は、にっこり微笑んで、「申し訳ございません。手前どもは、お客様のために商品を提供させて頂いています」とでも述べて、商品のセールスに入るに違いない。

 子ども手当が入って来たとしても、もともとの貯蓄や投資の生活に、本来大きな変化はないはずだ。将来に備えて投資をしている人であれば、積み立てででも、あるいは金額がまとまったところで投資するとしても、投資や貯蓄の額を増やせばいい。子ども手当で入ってくるからと言って、子供に使わなければならないとか、まして、特別に有利な運用方法があるわけではない。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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