ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

世界の最先端が認めた町工場の正体は
宇宙から舞い降りた研究開発型企業
三鷹光器 中村勝重社長に聞く(下)

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第10回】 2009年11月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

医療・測定器の最先端分野で世界的に高い評価を得ている三鷹光器は、典型的な開発型の企業といえる。開発には当たり外れはつきもののように思えるが、中村社長はどのような姿勢で経営に取り組んでいるのか。

三鷹光器 中村勝重社長

中村社長:経営は、世の中が必要としていて世界中を見ても、うちにしかないものを作れば、誰にでもできます。ですから、創意工夫のないものは、製造会社はやってはいけない。どうしてかというと、誰にでもすぐに作れるものは、値下げ競争になってしまいますからね。特に中小ではやってはいけません。

では、独創的な製品を生み出す発想の原点はどこにあるだろうか。

 宇宙に始まって、これだけ製品開発ができる基本は、現場の声を聞くということです。私はいつも言っているんですよ。「当会社に設計図はない。設計図は現場にあり」と。例えば、CAD(コンピュータ支援設計)は、こればかり3年間使って仕事をしていると、馬鹿になってしまう。CADはいい道具ですが、あくまで道具です。当会社では、課長以下にはCADは使わせない。課長以下はああしよう、こうしようと、何かを創造するのが仕事だからです。

 それにうちにはCADマシンなんて、1台もありません。もう汎用機で、手で動かすようなものしかない。どうしてかというと、脳を動かし、汎用機で手を動かして作る方が速いからです。ただし、形ができて寸法が出たら、逆に、生産はCADマシンを持っている会社に依頼します。その方が間違いもなく、大量にできるので、コストも低くなる。

 開発担当者に常々言っていることは、「ポンチ絵(製品のイメージ図)を描きなさい」ということです。私はポンチ絵しか見ません。インターネットから統計を取ってきて、表を作り、いま市場がどうで、需要はこうなって、というようなレポートは一切見ない。その代わり「A4の紙にポンチ絵を描きなさい」、極端なことを言えば、「新聞紙に描きなさい」と。新聞紙の場合は、鉛筆で描くと分かりにくい。太めのマジックペンで書くことになりますね。

 紙はどんな紙でもいいんです。「社長、いまこういうことを考えているんですが」と、私のところに持ってくる。そうするとこちらも、「いい考えだけれども、これはこうなって、ああなって……」と、20分も話をすれば完成です。そのくらいの勢いでやります。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

世界同時不況で電機・自動車など日本のビッグビジネスが軒並み崩れる中、しぶとく踏み止まる中堅企業がある。経営学の教科書からは学べない「逆境の経営道」をトップへのロングインタビューで探る。

「原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道」

⇒バックナンバー一覧