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あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか
【第36回】 2015年12月3日
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津田 久資

本当の頭のよさは「健全な腹黒さ」と「遊び」から生まれる
藤原和博 × 津田久資「思考・読書」対談!!(第1/3回)

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「都内初の民間校長」としても注目を浴びてきた「ミスターリクルート」藤原和博さんと、「博報堂・BCGで培ってきた思考法・発想法」が話題の津田久資さんによる対談。

お互いの最新刊『本を読む人だけが手にするもの』(藤原さん)、『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか—論理思考のシンプルな本質』(津田さん)をあらかじめお2人に読んできていただいたところ、議論はかなりの盛り上がりを見せた。

自身も「東大卒」である藤原さんは『あの人はなぜ、東大卒…』をどう読んだのか? 「学ぶ」と「考える」の問題について考えてきた津田さんは『本を読む人だけが…』をどう読んだのか?

今回から全3回にわたってお送りする(第1回)。
(構成 高関 進/撮影 宇佐見利明/聞き手 藤田 悠)

「『この本が売れるんなら
日本はまだ捨てたもんじゃない!!』と思った」

 (編集担当)――じつは藤原さんの最新刊『本を読む人だけが手にするもの』がずっと気になっていたんです。
企画・編集を担当した『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』と発売日も近くて、売れ方も似ている。おまけにAmazonの商品ページを見ると、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のところに藤原さんの本がいつも表示されているんです。きっと読者が近いんですよね。

この2冊、どうやら読者層が重なっているようだ……

「これはどういうことなんだろう?」と思って、読んでみたら納得しました。お2人のご主張って、どこかシンクロする部分があるんですよ。

お2人は初対面だとのことですが、そんなわけで今日は間違いなく面白い対談になると期待しています。よろしくお願いします!

藤原和博(ふじはら かずひろ)教育改革実践家/杉並区立和田中学校・元校長/元リクルート社フェロー
1955年東京生まれ。自ら創設した「よのなか科」を普及させることで、社会にはびこる「正解主義・前例主義・事なかれ主義」をぶっ壊し、停滞する日本を変えようとする改革者。
78年、東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。東京営業統括部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。
2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として、杉並区立和田中学校の校長を務める。08〜11年、橋下徹大阪府知事の特別顧問。14年から武雄市、15年から奈良市アドバイザーに。
著書に『本を読む人だけが手にするもの』『35歳の教科書』『坂の上の坂』『必ず食える1%の人になる方法』など多数。

【藤原和博(以下、藤原)】それはありがたいことです。

まず言わせていただくと、津田さんのこの本(『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』)がもし3万部以上売れるようであれば、日本はまだまだ捨てたもんじゃないと僕は思いましたよ(笑)。

だってこれ、やさしく書いてありますが、決して簡単な本じゃないですから。長い時間をかけて、博報堂やボスコン(ボストン コンサルティング グループ)で津田さんが自ら考え、自ら身につけたことを、一般のビジネスパーソンに、非常にやさしい例を使って説き起こしている。

【津田久資(以下、津田)】大変うれしいお言葉、ありがとうございます! 実は10年以上も前、初めて本を出したときに、ある人から「あなたの考え方は、藤原和博さんと近いね」と言われたことがありまして……。今日はお会いできるのを本当に楽しみにしていました。

【藤原】この本は、最初のほうでいきなり「どの負け方が悔しいか?」って分類から始まるでしょう? まず「勝ち方」じゃなくて「負け方」からスタートするってのが非常にユニークで面白かった。

普通のビジネス書だと「思考力を鍛えるには3つのポイントがあります」とかって始まるでしょう。
それが「博報堂の社内コンペで勝ち負けもあった。電通にやられたこともあった。それで何がいちばん悔しいかっていうと……」って敗北のパターン分析から入っている。

【津田】はい。1.実行面の敗北、2.「しまった」の惜敗、3.「まいった」の完敗ですね。

【藤原】まずこれが面白いと思ったの。そこから「フレームワーク」の話に展開していきますよね。これはマッキンゼーの人たちには書けないなと(笑)。
それで、「津田さんと考え方が近い」という話なんですが、僕のフレームワークは、これなんですよ。

これまで76冊、本を出していますが、その半分以上に通底しているのが、この図です。20世紀の成長社会は1997年に終わって、1998年から成熟社会に入っている。
「みんな一緒」という感覚の時代から、「それぞれ1人1人」という感覚の時代に移行して十数年たった。おそらく2020年代の中盤ぐらいには、ほぼ全員が成熟社会だとわかるようになる。これまでの時代は1+2は必ず3だったし、コロンブスがアメリカ大陸を発見したのもゴロ合わせで覚えたり……。

【津田】「いよっ国が見えた(1492)」とか……とにかく暗記すればいいという時代でしたよね。

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【藤原】そう、正解を覚えていればよかった。あるいは、正解を速く正確に当てればよかった。これからはどんどん正解がなくなっていくでしょうね。そうすると、自分が納得でき、かつ関わる他者が納得できる解を編み出していかなきゃならない。

それで僕は1997年までは「情報の処理力」の時代で、それ以降は「情報の編集力」にシフトしていると言っているんです。
ジグソーパズル型の正解主義のゲームから、レゴ型でパーツは少ないけど組み合わせ次第、想像力で何でもつくれるゲームへの移行。これからは、どんどん修正していきながら試行錯誤できるレゴ型能力を持った人材が望まれるでしょう。

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津田 久資

1958年生まれ。東京大学法学部およびカリフォルニア大学バークレー校経営大学院(MBA)卒業。博報堂、ボストン コンサルティング グループ、チューリッヒ保険で一貫して新商品開発、ブランディングを含むマーケティング戦略の立案・実行にあたる。 現在、AUGUST-A㈱代表として、各社のコンサルティング業務に従事。 また、アカデミーヒルズや大手企業内の研修において、論理思考・戦略思考の講座を多数担当。表層的なツール解説に終始することなく、ごくシンプルな言葉を使いながら、思考の本質に迫っていく研修スタイルに定評があり、のべ1万人以上の指導実績を持つ。 著書に、就活面接本の超定番書『ロジカル面接術』(WAC)のほか、『世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業』(KADOKAWA)、『出来る人ほど情報収集はしないもの!』(WAC)、『超MBA式ロジカル問題解決』などがある。


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