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シフト 2035年の未来
【第6回】 2015年12月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
マシュー・バロウズ,藤原朝子 [学習院女子大学]

15年後、イギリスはドイツを越えた欧州最大の経済国に返り咲く

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大統領の指針ともなる最高情報機関・米国国家会議(NIC)。CIA、国防総省、国土安全保障省――米国16の情報機関のデータを統括するNICトップ分析官が辞任後、初めて著した全米話題作『シフト 2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来』が11月19日に発売された。在任中には明かせなかった政治・経済・軍事・テクノロジーなど、多岐に渡る分析のなかから本連載では、そのエッセンスを紹介する。

第6回では、ヨーロッパの未来の勢力図を分析する。現在、圧倒的な経済力を誇るドイツだが、その先行きは決して明るくない。イギリス、ドイツ、ロシア……欧州の「大国」の未来とは。

イギリスの復活とドイツの凋落?

 『グローバル・トレンド』で使った国力の評価基準「インターナショナル・フューチャーズ」によれば、ヨーロッパは相対的に衰退している。多くのヨーロッパ諸国では高齢化が進み、一部諸国では人口が減り、ヨーロッパ全体の成長は鈍化するだろう。

 経済が好調なドイツは、当面はEUのリーダーの役割を果たすだろうが、少子高齢化という時限爆弾を抱えている。現在、ドイツの人口はフランスやイギリスよりも多いが、2050年までに逆転する可能性がある。フランスとイギリスのほうが移民が多いからだ。

 最新のCEBRの予測では、イギリスは2030年までに西ヨーロッパ最大の経済大国になりそうだ。イギリスの人口動態がドイツよりも好ましいことがその一因となっている。

 人口の平均年齢が45歳を超える「ポスト熟年国」(多くはヨーロッパにある)は、十分な所得のない高齢者に適切な生活支援を行う一方で、それを支える若い世代の生活水準も維持する財源を確保しなければならない

 賦課方式の年金制度と医療保険制度を、もっと財政基盤のしっかりした制度に移行させる動きはあるが、政治的に大きな反発に遭っている。こうした改革では、支給対象者と支給額が減り、勤労者の負担が増え、給付資格を得るために必要な就労期間は延びるからだ。

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米国の最高情報機関であるNIC(国家情報会議)の元分析・報告部部長。直近の2号である『グローバルトレンド』(2025/2030)で主筆を担当。ウェズリアン大学(学士号)とケンブリッジ大学(博士号)で歴史学を学ぶ。1986年にCIA入局。2003年にNICに加わる。28年に渡って国家情報アナリストとして活躍。リチャード・ホルブルック国連大使の情報顧問を務めたこともある。2013年に辞任し、現在は「アトランティック・カウンシル」戦略フォーサイト・イニシアチブ部長を務める。ワシントン在住。

 

藤原朝子[学習院女子大学]

 

学習院女子大学非常勤講師。フォーリン・アフェアーズ日本語版、ロイター通信などで翻訳を担当。訳書に『撤退するアメリカと「無秩序」の世紀』(ダイヤモンド社)、『ハーバードビジネススクールが教えてくれたこと、教えてくれなかったこと』(CCCメディアハウス)、『未来のイノベーターはどう育つのか ―― 子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの』(英治出版)など。

 


シフト 2035年の未来

大統領をも動かす米国最高情報機関NIC元トップ分析官が、「2035年」の未来を徹底予測! CIA、国防総省、国土安全保障省……米国16の情報機関を統括し、未来予測・分析を行う諮問機関が、国家情報会議(NIC)です。政治・経済・軍事・テクノロジー、あらゆる領域からNICトップ分析官が在任中には明かせなかった不都合な「シフト」を分析します。

「シフト 2035年の未来」

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