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自社の「IT白書」を作って
社内外への説明責任を果たすべきだ

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第51回】 2015年12月4日
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IT部門の活動は経営者やユーザー部門にとってわかりにくいという声がよく聞かれる。国内企業のIT部門において、これまで社内マーケティング活動が十分に行われてこなかったことがその要因の1つといえる。IT部門の活動に関する社内外への説明責任と啓発に向けて「IT白書」の作成が推奨される。

IT部門からの情報発信の必要性

 多くの国内企業のIT部門には、2つの機能が不足している。それは自己評価機能とマーケティング機能である。自己評価機能は、IT部門の活動やコスト、情報システムの活用状況、ビジネスへの貢献度などを自ら定期的に評価することを意味する。

 もう1つのマーケティング機能には、インバウンドとアウトバウンドのマーケティングが含まれる。インバウンドのマーケティングは、情報収集を意味し、ユーザーのニーズや課題、満足度などを把握する取り組みを指す。

 一方、アウトバウンドのマーケティングは情報発信を意味し、技術シーズを啓発したり、自部門の活動成果を公表したりする取り組みが含まれる。自己評価機能によって評価したIT部門の活動成果について説明することもステークホルダーへの情報開示という意味で重要なアウトバウンドのマーケティングコミュニケーションといえる。

 これまでITは専門的な知識が必要な領域であったため、経営者やユーザー部門にとってわかりにくいものであっても、仕方ないことだと思われがちであった。しかし、デジタル化が進み、ITがビジネスの最前線で活用される昨今においては、わかりにくいものでは済まされなくなっており、IT部門からの能動的な情報発信が必要となっている。

IT白書による社内外への広報活動

 自己評価機能については、欧米企業では計数管理の風土が根付いており、部門目標をKPIによって定量化したり、自社の状況を同業他社とベンチマークしたりする取り組みが活発である。国内においても製造業の生産管理部門や工場においては、TQC(Total Quality Control)などの長年の活動により徹底した計数化に基づく目標管理が行われている。しかし、IT部門ではこのような計数化の文化が醸成されておらず、「可能な限り努力する」というやり方で運営されてきたというのが実態といえるのではないだろうか。

 また、マーケティング機能についても、欧米においてはCIOやIT部門が自らのパフォーマンスを測定し、社内外に訴求することに積極的な姿勢がみられる。Intel社のITパフォーマンス・レポートはその代表例といえる。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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