墨田区の名は「墨提」に由来する。その名のとおり、隅田川とは切っても切れない縁。大相撲、花火大会のメッカでもある。さらには、江戸時代から続く伝統的、文化的所産の宝庫だ。近く、東京タワーをはるかに凌駕する東京スカイツリーもこの区に建つ。

相撲部屋の3分の1以上が
墨田区に集まる

 墨田区は1947(昭和22)年、明治初期からある本所区と昭和の初めに成立した向島区が統合して誕生した区であるが、現区名は隅田川の堤の通称「墨提」に由来する。

 この区は、大相撲のメッカでもある。初代の国技館は1909(明治42)年、両国の回向院(えこういん)隣接地に建設された。第二次大戦後、台東区の蔵前に移転するが、1985(昭和60)年に両国の地に復帰した。それにまつわり、相撲部屋も林立する。52ある相撲部屋のうち19部屋までがこの区内に所在している(5月27日に閉鎖が決まった「木瀬部屋」も含む)。

 また、「たまや~(玉屋)」「かぎや~(鍵屋)」のかけ声で知られる川開き花火大会は江戸時代の1733(享保18)年に始まり、現在の隅田川花火大会の原型をなすものだが、この発祥地も両国だった。

 分館と合わせて年間約180万人もの集客をする、わが国有数の博物館「江戸東京博物館」があるのも墨田区である。葛飾北斎が活躍した地であることから、葛飾北斎の作品を展示する北斎館(仮称)が建設される計画も進行している。