ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
ビッグスリー敗者復活戦の真実

黒字転換、年内の株式公開に動く
米GM破綻1年後の曙光と拭い去れぬ不安

【第5回】 2010年6月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

米ゼネラル・モーターズ(GM)の経営破綻から1年が経った。国有化された新生GMは今年第1四半期(1―3月)に3年ぶりに黒字転換。年内の新規株式公開に向けて近く主幹事を選定する可能性も出てきた。果たして復活は本物なのか。(文/ジャーナリスト ポール・アイゼンスタイン)

 自動車業界で秘密が守られることなどめったにない。だが、ゼネラル・モーターズ(GM)の最高経営責任者(CEO)兼会長を務めるエドワード・ウィッテーカー・Jrは、一つ大きな秘密を隠し続けている――いったん経営破綻したGMが、待望の新規株式公開に踏み切るのはいつか、という謎だ。

 ほんの1年前(2009年6月1日)に経営破綻したGMにとって、再び株式を公開するというのは、再建プロセスにおけるきわめて重要な一歩である。特に、米国民にとっては非常に重要だ。何しろ、かつては世界最大の企業だったGMにはこれまで米国民の税金500億ドル以上がつぎ込まれ、少なくともその一部なりとも取り戻すためには株式の公開を待たなければならないからだ。

 連邦政府の国家経済会議のローレンス・サマーズ委員長は5月、「(公的資金)返済の見込みは1年前に比べて高くなっている」と断言した。これは、「長期的に見て数十億ドルの公的資金が失われることになる」と示唆した先の議会報告に反論するものだ。

 最近では、こうした楽観論を口にするのはサマーズ一人ではない。GMの第1四半期の業績がこれを後押ししているのは確かだ。2009年の終盤には40億ドルもの損失を計上したが、その多くは倒産に関連した特別損失であり、その後1~3月期は、確実に8億6500万ドルの純利益を確保した。

 利払い・税引き前利益(EBIT)ベースでは、1~3月期は17億ドルの黒字となったが、何よりも重要な数字は、長く不振の続いた北米部門が12億ドルの黒字となったことだろう。中核事業である北米部門のEBITは、2009年第4四半期には34億ドルの赤字となっていたが、ここから大きな回復を見せた。欧州部門は依然として不振にあえいでおり、少なくとも部分的には政府による支援を必要としているが、それでも損失は前期比約40%減の5億ドルにまで抑制された。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


ビッグスリー敗者復活戦の真実

GM、クライスラーの破綻で瀬戸際に追い詰められた米自動車産業。日本にとっても対岸の火事ではない混乱の舞台裏と敗者復活戦の行方を、デトロイト、ワシントンの二極取材で追う。

「ビッグスリー敗者復活戦の真実」

⇒バックナンバー一覧