新年おめでとうございます。2016年の仕事始めです。新しい年の始めにあたり、このコーナーの趣旨をもう一度、振り返ってみたいと思います。

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50歳を超えると関心は
家のローンと親の介護、年金くらい

50歳を過ぎても成長できる人は、40代までをこう過ごす中高年になってからも成長できる人、できない人には、どんな違いがあるのか

 私たち社会人材学舎の、キャリアの定義は、「仕事を通じて、志を実現する成長のプロセス」だ。「志」ももちろん重要なテーマだが、もう一つ、「成長プロセス」も大切なポイントである。

 私たちは、キャリアは成長するもの、成長させるものだと考えている。ところが、多くの人は勘違いをしている。若い頃は夢ばかり見ている。夢だから当然根拠もなく、地に足がついていないから努力もしない。いわゆる青い鳥症候群に冒されている。

 シニアになると今度は逆で、自ら自分の可能性を信じなくなる。「これもダメだった、あれもダメだった」と自問自答し、その先の選択肢をせっせと減らしていく。

 そして、50歳を超えると、半径5メートルほどの世界にしか目がいかなくなる。心配事と言えば、家のローンと親の介護、それと年金くらいだろうか。

 本当にそれでいいのだろうか。それは違うと私は思う。では、自分の人生に向かって、どう構えるべきなのか。若いビジネスパーソンは、将来の夢を追いかけるためにも、しっかりと今の仕事の意義を知り、必要な研鑽を惜しまず、今を積み重ねて行くべきなのだと思う。夢の前の足場固めに取り組むということだ。

 そしてシニアになったら、未来のこと、社会のことをもっと考えるようにならなければいけない。

 つまりは末広がりのキャリア、老いてなお成長させるキャリアこそが幸せなキャリアなのだということ。そのことを、年頭に当たって改めて皆さんと共有したい。

成長し続けられる人は
他人から期待される状態を自ら作る

 このシリーズの第1回で、10年単位の年代ごとのあるべきイメージについて示唆した。覚えていない、あるいはその回は目にしていない人も多いと推察するので、そこでの説明を、さらに詳しく述べさせてもらう。

 成長するためには努力をし続けなくてはいけない。では、どうすれば努力を続けることができるのか。それは、「間違いなく努力は実る」という可能性を信じられるかどうかにかかっている。