ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
金融市場異論百出

日銀の補完措置に透けて見える
異次元緩和「第2フェーズ」の感

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2016年1月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 「バズーカ砲の砲弾がなくて撃てなかったのか。あるいは、そもそも撃つ気はなかったのか」

2015年12月18日、日本銀行の黒田東彦総裁は金融緩和策を「補完する措置」を発表した Photo:REUTERS/アフロ

 2015年12月18日、日本銀行は買い入れ対象である国債の平均残存期間の延長や、「設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」の株式を対象とする上場投資信託(ETF)を年間3000億円買い入れることなどを決定した。

 しかし、マネタリーベースや国債買い入れ額の増加はなかった。日銀も今回は追加緩和策ではなく、量的質的緩和策(QQE)を「補完する措置」だと説明している。

 結論から言えば、残っている砲弾の数は多くないものの、今回の日銀はバズーカ砲を撃つ気がなかったと見なすべきだろう。

 景気予想の標準シナリオに下振れリスクが高まったという判断は示されていない。であるならば、「なぜ株式市場を失望させるような中途半端な決定を行ったのか」「景気下振れの新たな材料がないとしても、インフレ目標達成時期は後ずれしているのだから、大胆な追加緩和を行うべきではないか」という疑問を抱く人もいるだろう。

 QQEはどうやら「第2フェーズ」に入ってきたようだ。民間企業の経営であれば、2年半以上続けた戦略が当初の期待ほどの結果を出せなかった場合、効果がもっと出てくるまでやみくもに同じ戦略を拡大し続けるということはあり得ないだろう。日銀のQQEもそういう段階に来たと思われる。

 実際のところ、日銀が国債購入をここからさらに数十兆円増加させれば突然、企業経営者は設備投資や賃上げを積極化させ、経済は活性化し、インフレ率は2%に急速に近づいていく、などということが起こり得るだろうか。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2016年10月1日号 定価710円(税込)

特集 特集 凄いネスレ 世界を牛耳る 食の帝国

違いが分かる食の帝国を徹底解明!

【特集2】
2017年 新卒就職戦線総括
今年も「超売り手市場」が継続 選考解禁前倒しも競争は激化

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


金融市場異論百出

株、為替のように金融市場が大きく動くことは多くないが、金利の動向は重要だ。日本を代表する日銀ウォッチャーが金融政策の動向を分析、金融政策の動向を予測する。

「金融市場異論百出」

⇒バックナンバー一覧