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人気沸騰「レバレッジ型ETF」の落とし穴

井出真吾 [ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジスト]
2016年1月7日
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株価が激しい動きを示すなかで、“レバレッジ型ETF”が投資家に非常な人気となっている。だがその仕組みや値動きの特性は必ずしも理解されていない。運用手法研究の専門家が、“利用上の注意点”を解説する。

資金集中のあまり募集停止も
レバレッジ型ETFとは?なぜ人気?

 レバレッジ型ETF(上場投資信託)が人気だ。代表的な「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(日経レバ)の2015年1月から12月18日までの累計売買代金は約40兆円で、2位のトヨタ(約16兆円)を大きく引き離す。投資資金が集中したあまり、15年10月には「日経レバ」など3本のETFが募集を一時停止して話題になった。

 これほど人気になった理由としては、個別銘柄を選ぶ手間が省ける上、日経平均やTOPIX(東証株価指数)に連動するインデックスファンドより大きく値上がりしたり、株価が下落する局面でも儲かるチャンスがあったりする便利さがうけたのだろう。リスクを好む個人投資家を中心に急速に普及しているようだ。

 そもそもETFとは、日経平均やTOPIX、業種別株価指数など特定の指数に連動する投資信託だ。レバレッジ型ETFにも指標となる指数があり、日本株を対象としたものでは現在、日経平均・TOPIX・JPX日経インデックス400それぞれについて、ブル(レバレッジ)型、ベア(インバース)型、ダブルインバース型の計9種類が指定されている。いずれも日々の騰落率が、日経平均など元指数の2倍、マイナス1倍、マイナス2倍となる値動きをする。

 例えば「日経レバ」の場合、日経平均が2%値上がりした日は4%値上がりし、3%下落した日は6%下がる。一方、日経平均ダブルインバース・インデックスの場合は日経平均が2%値上がりした日は2倍の4%下落し、日経平均が3%下落した日は6%上昇するといった具合に、元の指数と符号が反対の値動きとなる。梃子(レバレッジ)のように元指数の何倍かの動きをするため、これらを総称して“レバレッジ型”もしくは“インバース型”ETFと呼ぶ。

 先述の通り、投資資金の集中で、3本のETFが15年10月に募集を一時停止した。その理由を理解するには、ETFの「一物二価」の特性がカギとなる。

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井出真吾 [ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジスト]

いで・しんご/ニッセイ基礎研究所・金融研究部チーフ株式ストラテジスト、年金総合リサーチセンター兼任。1993年東京工業大学工学部卒業。同年日本生命保険相互会社入社、99年ニッセイ基礎研究所へ。2007年より現職。株式投資やアセットアロケーション(資産配分)など運用手法の研究が専門。

 


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