経済に潜む闇を白日の下にさらけ出す刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」では、昨年12月のFRB利上げ決定前から、常識に反した「円安終了」を予想していました。それから3週間経って、現在の米ドル/円相場は1ドル=117円台と予想通りの円高になっています。さてここから先の円相場は、どうなる!?
1ドル=118円の「トリガーポイント」に急接近!
為替相場の潮流がはっきりと変化しているのを感じます。
本誌は12月15日配信のメルマガ速達便記事「そろそろ円安終了?」(当連載では25日更新記事「米FRBが9年半ぶり利上げで、常識は円安ドル高だが闇株新聞が円安終了を予想する理由とは!?」)に加え、12月28日と1月3日に配信したメルマガ「闇株新聞プレミアム」にも、「そろそろ円安終了」「円高反転は近い」と書いておきました。さらにその前には、日本の機関投資家、事業法人、個人などの外貨(資産)購入が急増したコスト水準から、1ドル=118円あたりに「トリガーポイント」があるとも書いておきました。
「トリガーポイント」とは、その価格を突破するとトレンドが雪崩を打って加速するポイントのことですが、その時点では価格だけで「時期」は特定できていませんでした。しかし、ここ数日で本誌の想定よりもかなり早くトリガーポイントに到達したため、急ぎ記事にすることにしました。
闇株新聞が「円安終了」を予想する3つの理由
本誌が「そろそろ円安終了」と考えた理由はたくさんありますが、ここでは3つだけ挙げておきます。ただし、理由がいくら揃っていても、それだけで「円安終了」あるいは「円高反転」になるわけではありません。
【円安終了の理由・その1】
日本の経常収支の黒字が急激に拡大していること
日本の暦年ベースでみた経常収支の黒字は、2014年1~12月の2.6兆円が過去最少ですが、2015年は発表済みの1~10月だけで14.4兆円にもなっています。このままだと2015年1~12月には17兆円程度となり、2010年の19.4兆円に匹敵する黒字が予想されます。2010年の年間平均円相場は1ドル=88円でした。
経常収支の黒字拡大の最大要因は原油価格下落による貿易収支の大幅改善ですが(円安効果ではありません)、少なくとも日本にとって外貨余剰(円高要因)となるはずです。また、原油価格の下落は一時的ではなく、かなり長期間継続する可能性が強いため、日本における外貨余剰はまだまだ続くことが見込まれます。
【円安終了の理由・その2】
日本の機関投資家による高水準の対外投資は持続不能であること
実は公的資金を含む機関投資家の対外投資が急増したのは2014年10月の日銀追加量的緩和の前後からであり、そこから発表済みの2015年10月までの13か月で海外の株式・ファンドを21.0兆円、中・長期債を12.2兆円も買い越しています。これが円相場を1ドル=105円から125円(2015年6月)まで押し上げた最大要因と考えています。
足元では海外の株式市場、債券市場(特に低格付け債など)、そして何よりも直近の円相場といった対外投資環境が思わしくないため、2015年10月までの狂ったような対外投資が今後も継続するとは考えにくく、最大の円安要因は剥落していることになります。
さらに本誌が「トリガーポイント」と考える1ドル=118円を突破したため、一部の対外資産の売却あるいは為替ヘッジ(ドル売り)が出る可能性も強く、ここからは円高要因が加わることになります。
【円安終了の理由・その3】
昨年後半以降、FRBの利上げペースを過剰に見積もり過ぎていること
本誌は毎年元旦の日本経済新聞に掲載される、企業経営者や評論家の相場予想アンケート(特に為替)に注目していますが、今年は1ドル=120円~130円と「円安予想」が圧倒的に多数でした。これは日本全体がFRBの利上げペースを過剰に見積もり、「円安」を前提にした投資行動を取ってしまっていることを示しています。経験上、こういう傾向は、逆に「円高要因」として作用します。
ここからは多少円安に戻ったら自信をもって円買い・ドル売り!
ただし、以上のような理由がいくつ揃ったとしても、それですぐに相場の転機(ここでは円高反転)が来るとは限らず、そこから1年以上もかかってしまうこともあります。
実際に転機(ここでは円高反転)が来たかどうかは実際の値動きで判断するしかありませんが、このまま一直線に円高に向かうということもないでしょう。まだまだ日銀の追加緩和や、それによる円安を期待する日本人が多いからです。
しかし、ここからは「多少円安に戻ったら自信を持って円買い・ドル売り」であることだけはわかります。そして、この方針は(まさかとは思いますが)日銀がさらなる追加量的緩和に踏み切っても、変更の必要はないと考えます。
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