「東京オートサロン」はなぜ
これほど注目を集め始めたか?

自動車メーカー各社もカスタマイズカーやコンセプトカーを出展する。写真はトヨタの「TOYOTA S-FR Racing Concept」Photo:TOYOTA

 2016年の幕開けと共に、海の向こうの米国デトロイトで北米オートショーが11日から開催されているが、日本では15日から幕張メッセで「東京オートサロン2016」が開催される。

 東京オートサロンとは毎年、年明けに開催される自動車ショーだが、近年国内自動車メーカーが国内市場調査を兼ねてカスタマイズカー、コンセプトカーを積極的に出展するようになり、今や日本で開催される自動車ショーでは1日あたりの来場者数で東京モーターショーを上回るイベントとなっている。

 今回で34回を数える「東京オートサロン」は、国内自動車メーカーからトヨタ自動車、本田技研興業、日産自動車、マツダ、スズキ、富士重工業、ダイハツ工業、三菱自動車工業、日野自動車の9社が出展し、輸入車はメルセデス・ベンツ日本、フォルクスワーゲングループジャパン、ビーエムダブリュー、アウディジャパン、ルノージャポン、エルシーアイ(ロータス)で輸入車からフォルクスワーゲンが初出展する。出展者447社、出展車両数880台、ブース総数4265小間と、過去最高の出展規模となる。

 昨年10月29日から11月8日まで東京ビッグサイトで開催された東京モーターショーは、自動運転などの新たな技術進化で話題を集めたが、残念ながら11日間の来場者数は81万2500人と前回の90万2800人から1割ほど減少した。東京モーターショーが日本の自動車技術を世界に発信する場への位置づけを強めている昨今、この東京オートサロンは自由にクルマの楽しみを実感するイベントとして人気を集めているのだ。

 来場者も家族連れや若者のカップルといった光景が多く見られるようになり、かつての東京モーターショーのような雰囲気となって、ここ2~3年の東京オートサロンは毎回、来場者数を更新する盛り上がりを見せている。必然的に自動車メーカーやアフター業界関係者が国内自動車市場の活性化を促進させるイベントとして、より力を入れるトレンドを示して注目されている。

 東京オートサロンは、1963年に東京・晴海にあった東京国際見本市会場で「東京エキサイティングカーショー」として開催されたのが、第1回目となる。その後、毎年開催され1987年に「東京オートサロン」に改名。1997年の第15回から有明の東京ビッグサイトに会場を移し、さらに1999年の第17回から幕張メッセに移り、今回で第34回の開催となる。