提案力に長けた人、多くの顧客を回れる人……。“できる”営業マンの型にもいろいろあるが、あなたはタイプ的にどの型を目指すのがよいのか。経験豊富な営業コンサルタント、林丈司氏が指南する。

 あなたは将来どんな営業マンになりたいですか?

 この質問に即答できる人は、すでに自分の理想の営業マン像を追い求めている人でしょう。多くの営業マンは、「尊敬するあの先輩のようになれたら」とか「お客様に好かれる営業マンになれたら」というような、漠然としたビジョンしか持っていないものです。

 しかし、ビジョンは重要です。鮮明なビジョンを持っているからこそ、それを達成しようと、目覚ましい進歩、進化を遂げられるからです。

 では、ビジョンに据えるべき理想の営業マンとはどのような人を指すのでしょうか。これまで2万人を超える営業マンに会ってきた私の経験からいうと、トップ営業マンには次の五つの型があります。

a親密化型、b行動量型、cソリューション提案型、d商談型、e戦略型

 各型の詳しい解説は右表にまとめて示しましたが、これらの型をオールマイティに併せ持っている営業マンはきわめて稀有な存在です。たとえトップ営業マンであっても、一つか、せいぜい二つの型を持っているにすぎないのです。

 上記のそれぞれの型になれるかどうかは、適性があるかどうかに左右されます。だから自分とかけ離れた型になろうと努力しても、なかなかなれるものではありません。きっと多大な時間をムダにしてしまうだけでしょう。

 反対に、自分に合う型を選んで努力すれば、報われる可能性が高くなります。

 要は、その人のタイプにより、目指すべき営業マンの型は違うということ。トップ営業マンとは、「自分のタイプに合った型(強み)を認識し、その力を発揮して成果を出している人」なのです。