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三越伊勢丹ホールディングス社長 大西洋

いかに「百貨店の枠」を超えていくか

大西 洋 [三越伊勢丹ホールディングス社長]
【第3回】 2016年1月18日
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Photo by Yoshihisa Wada

前回は三越伊勢丹の改革のなかでも百貨店事業を軸に店舗改築による環境改革や、スタイリストなどの人材改革などについて述べた。今回は、もう少し枠を広げて三越伊勢丹グループの事業全体の改革についてお話ししようと思う。それは5年後、10年後の姿を考えてみることにもなるからだ。

「絶対的な価値」をどう創出するか?

 三越伊勢丹がこれから競争に勝ち抜いていくためのポイントは、どれだけ「絶対的な価値」をお客さまに提供していけるかにある。私が言う「絶対的な価値」とは、三越伊勢丹でしか提供できない価値のことを意味する。

 現在、お客さまに商品を買っていただくことは、非常に難易度の高い時代になっている。それは、お客さまの「価格と価値のバランス」を見る目がきわめて厳しくなっているからだ。「この商品がこの価格で買えるのですか」と感じていただける商品を提供していかなければならない。この価格を上回る価値こそ、「絶対的な価値」と言えるだろう。

 わかりやすい例がセブン-イレブンのコーヒーだ。100円という価格であれだけの味・香りのコーヒーが飲めるのであれば、消費者の支持が集まるのも当然だ。つまり100円のコーヒーに「絶対的な価値」が具現化されているのである。

 「絶対的な価値」は商品だけの話ではない。「環境・空間」やスタイリスト(販売員)による「販売・サービス」においても同様である。たとえば、お客さまが期待されている以上の接客をして、お客さまに感動していただくことができて初めて、販売・サービスにおける絶対的な価値を実現できたということになる。

 厳しい競争環境のなかで戦っていくためには、知見を持った外部の人たちとのコラボレーションも必要だ。これだけ社会が目まぐるしく変化し、メディア、特にパーソナルメディアによる影響力の拡大が続くなかで、私たちが持っているノウハウだけではとても変化に対応できない。

 トレンドを熟知していたり、ノウハウを持つ人たちの力を借り、新たな事業を創造したり、既存事業のモデルを変えたりしていく。競争に勝ち抜いていくためには、既存のビジネスモデルに固執するのではなく、時代に合わせて自在に形を変えていく柔軟性が不可欠だ。それを促す最大の刺激が外部とのコラボレーションなのだ。

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大西 洋 [三越伊勢丹ホールディングス社長]

1955年東京都生まれ。79年慶應義塾大学商学部卒業後、伊勢丹(現・三越伊勢丹)入社。紳士服部門を歩み、紳士統括部長などを経て、2008年三越常務執行役員、伊勢丹常務執行役員。09年に伊勢丹社長。11年に三越伊勢丹社長。2012年2月より三越伊勢丹ホールディングス社長。

 


三越伊勢丹ホールディングス社長 大西洋

1955年東京都生まれ。79年慶應義塾大学商学部卒業後、伊勢丹(現・三越伊勢丹)入社。紳士服部門を歩み、紳士統括部長などを経て、2008年三越常務執行役員、伊勢丹常務執行役員。09年に伊勢丹社長。11年に三越伊勢丹社長。2012年2月より三越伊勢丹ホールディングス社長。

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