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ビジネスモデルの破壊者たち
【第374回】 2016年1月21日
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瀧口範子 [ジャーナリスト]

究極のIoTは消費者さえスルーする!?
アマゾン自動補充サービスのすごさ

サービスを提供するメーカーは
すでにセンサーを製品に仕込んでいた

米アマゾンの「ダッシュ・リプレニッシュメント・サービス(DRS)」の紹介ページでは、対応メーカーの製品が紹介されている(https://www.amazon.com/oc/dash-replenishment-service)

 ミルクがなくなったら、冷蔵庫が自動的に注文をしてくれる。

 これは、未来のスマート家電のビジョンとしてよく出てくるものだが、これに世界は一歩近づいた。アマゾンの「ダッシュ・リプレニッシュメント・サービス(DRS)」がスタートしたからだ。(編集部注:現在は米国のみ)

 「リプレニッシュメント」とは、補充の意味。そして「ダッシュ」というのは、アマゾンが自動注文に関連してつくったサービス名だ。DRSでは、いくつかの家電メーカーとの提携のもと、洗剤、コーヒー豆、ペットフードなどがなくなりかけると、製品が自動的に注文をする。

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 DRSは、すでに少し前からベータ・サービスとして開始されていたが、このたび正式にスタートすることになった。提携しているのは、プリンターのブラザーやサムスン、洗濯機や乾燥機、自動皿洗機など白物家電を製造するワープール、ゼネラル・エレクトリック、いくつかのスタートアップの製品。その中には、血糖値をスマートフォンで測れる機器、定量のペットフードを自動的に取り出す機器、スマートフォンでドアの鍵を開けられるノブなどがある。

 たとえばブラザーのプリンターならば、次のようなしくみだ。

 まず、DRSに対応しているモデルをもっている必要がある。インターネットにコネクトされているプリンターで、ブラザーのサイトを見ると50種類近いモデルが対応可能のようだ。つまり、新しい製品を買わなくとも、すでに持っているプリンターがDRS用になっているということである。

 さて、すでに持っているプリンターが対応可能ということであれば、ブラザーのアカウントを作り、そのプリンターを登録する。同時にアマゾンのDRSを設定する。その際に使っているインクやトーナー・カートリッジを指定しておく。新製品を買った場合は、設定のプロセスでDRSへの登録項目が出てくるようだ。

 これらのプリンターはインクの残量をモニターしており、それが低くなると自動的に発注するしくみである。大切なプリントアウトをしようと思ったらインクが切れていたといったことを避けるための心遣いのあるしくみだが、要はアマゾンへの注文が自動化される囲い込みの戦略でもある。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。

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