きょう、全米オープンゴルフの取材から帰国してみると、日本は相撲報道一色になっていた。
さすがに国技、相撲への関心は高いと思えばいいのだろうが、その内容はあまりに悲しくお粗末なものである。
力士や親方が関与したとされる野球賭博の実態は、日を追うごとにひどいことになっている。65人が自らの関与を申告し、30人あまりの力士が実際に賭博を行っていたと白状したのだ。
汚染は広がり、もはや自浄作用が効かない状況になっている。それでだろう、日本相撲協会理事会は、諮問機関として特別調査委員会を立ち上げることを決定したようだ。
犯罪を「犯罪者」が裁くようなことになれば、当然に真相究明は望めない。その点からも、内部調査の後にこのような形で外部に調査を委ねることになったことについては、まずは一定の評価をしたい。
メディアがそこまで
騒ぐほどのことなのか
大体において、三役などの一部力士たちを除けば、相撲取りは総じてヒマだ。仮に、時間を持て余すあまりに、このような悪行に手を染めることになってしまったとしたら、問題は根深い。
悪しき慣習を断ち切るためには業界全体の努力が必要だ。再発の防止は相撲協会だけの力で行えるものではない。
文科省、メディア、そして相撲ファンも含めて、不断の監視の目が不可欠になる。
それにしても、ここ1、2週間の新聞やテレビの報道はあまりにひどすぎる。あたかも、この賭博事件が、稀にみる重大極悪犯罪の発生のような扱いである。