親子ゲンカのいちばんの原因とは?

 私は2代目社長に対し、「毎朝、必ず創業者に報告に行く」ようにアドバイスしています。

 親子がケンカするいちばんの原因は、2代目が親に報告しないことです。社長を退き、会長になると、人心は変わります。一線から退くことで、さみしくなる。

 親子ゲンカをなくすには、息子(社長)が親(会長)に「毎日10分でもいいから、報告をする」ことです。報告する内容は、何だってかまいませんが、次の順番で報告します。

(1)はじめに「会長が知っていること(知っている人のこと)」を話す
(2)そのあとで「会長の知らないこと」を話す

 人は、「自分に関係のあること」は知りたがりますが、関係のないことには興味を持ちません。会長が知りたいのは「自分の知る古参の社員が、がんばっているかどうか」です。

 ですから、最初に会長に関係のあることを話す。そのあとで「会長が知らないこと(新入社員のことなど)」を話す。「○○という社員が新しく入った」「××が出向になった」と話しているうちに、会長も興味をなくし、
「○○のことも、××のことも知らないから、もういいや」
 と、会長のほうから話を切り上げるようになるでしょう。