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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

過去の「伝説の営業マン」は手本にはならない

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第36回】 2016年2月15日
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機械に仕事を奪われつつあると言われる営業マン。果たして、今後も生き残れる営業マンとは?

 皆さんの会社でも状況は同じだと思うが、今や会社にかかってくる電話の多くが、いわゆる「営業電話」である。知り合いならほとんどが携帯に掛けてくるし、仕事の場合は、緊急のことがない限りメールでやり取りするからだ。

 「秋山社長はいらっしゃいますか?」

 営業電話は、さも知り合いのように名前を出してくる。きっと、彼らが作成した何らかの名簿に名前が書かれているのだろう。私もたまにそのような電話を受けるが、「はい、私ですが…」と答えた途端にベタな営業トークがはじまるのはいただけない。すぐに聞く気も失せてしまう。

 こんな発言をしたので誤解されたかもしれないが、私は「営業マン」が大好きだ。営業畑出身ではなく、商品を作るほうだったが、営業マンあってこその商品企画だった。

 何もないところから人的ネットワークを手繰り寄せて顧客候補にアプローチをし、商品の良さを語り(弱みをうまくごまかしながら)、受注を取りつけ、顧客と長く付き合いを続けていく……。その間には、ミスやクレーム対応に忙殺されることもあるが、それを逆手にとって絆を深め、ビジネス上の関係を超えた繋がりを作り出す。特定の顧客の予期せぬニーズが新時代の商品のあり方を示しているのではないかと情報を寄せてくれ、一緒に新しい商品の構想を作る…。

 こういったたくさんの「営業マン」との仕事を思い出しては、「良かったなぁ」「すごかったなぁ」と感じた日々を思い出すからだ。

 しかし、このような姿はどうも過去への郷愁のようなもので、今の時代には流行らない営業マン像のようだ。現在の企業を見てみると、顧客に深く食い込む営業マンも少なければ、顧客ニーズをもとに新商品開発を働き掛ける営業マンもほとんどいない。そもそもそのようなことは営業マンに要求されていないようだ。実際には、営業の工程を事務的にきちんと進めていくことにエネルギーが費やされている。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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