マイナス金利時代に、
最も低リスク高リターンの資産運用とは?
ゆうちょ銀行が一般銀行の普通預金にあたる通常貯金の金利を0.001%に引き下げた。上限預入額の1000万円を預けたとして、一年後に受け取る金利は100円ということになる。
過去、金利が高かったころを思い出すと、平成2年には3年以上の定額貯金の金利が6%台だった。この時期にゆうちょに最長の10年預けた場合の複利の年平均利回りは8%を超えていた。遠い昔のような気がするが、確かにそのような時期があったのだ。
1000万円預けて金利が年間80万円という夢のような時代と比べると、今手に入る100円の金利というのはほぼゼロと言っていい。今は預金金利ほぼゼロ時代なのだ。
細かい変化を指摘するが、従来はゆうちょ銀行はメガバンクよりも少し高い金利を提示してきた。ところが今回の0.001%という金利は大手銀行と横並びである。というのも仕方ないことだがゆうちょ銀行は主に国債で資金を運用している。大本の国債金利がマイナスで発行される時代なのだ。このまま長期間マイナス金利という状況が続けば、いずれゆうちょ銀行も金利は払わないという水準に突入せざるを得ないだろう。
さて、今の時代、最も低リスク高リターンの資産運用は何だろう?
実はこれは私のプライベートで今、FAQといっていいぐらいとてもよく聞かれる質問だ。銀行預金ではお金が増えない。一方で株も為替相場も先行きが読みづらい。この状況下で、どのように自分の資産を守り運用すれば将来安全かというのが、誰からも聞かれる質問である。
この質問に関しては経済の専門家として私は3つの答えを用意している。「身も蓋もない話」と「知っておいて損はないけれど悪い話」と「私が実際にやっている話」の3つだ。どれも残念そうな雰囲気の話に聞こえるかもしれないが、順にお話ししていきたいと思う。
「身も蓋もない話」
まずは「身も蓋もない話」。そもそも最も低リスクで高リターンの資産運用とは何だっただろう?経済学の答えは国債への投資である。老後資金など、減らさずにしっかりと貯めておかなければいけない資金は、安全投資先である国債で運用するのが一番いい。