吉田茂はなぜ、一流ホテルの洗面台を<br />自分で拭いたのか?

1000人以上の経営者へのインタビューを15年にわたって続け、発売からわずか数日で重版が決まった最新刊『最高のリーダーは何もしない』を刊行した藤沢久美氏。

VIP顧客担当だった運転手から聞いた「吉田茂元総理が一流ホテルのトイレで語ったこと」とは?
Facebookでも大反響だった一流リーダーの考え方を垣間見るエピソード。

なぜ、一流ホテルの洗面台を
吉田総理は自分で拭いたのか

先日、某ホテルのVIP顧客担当の運転手さんだったという方とお話をする機会がありました。

その方から聞いた吉田茂元総理のエピソードがあまりにも素晴らしかったため、これを私個人のFacebookに投稿したところ、1200件を超える「いいね!」が集まりました。

考えてみるとこれは、今回の新刊『最高のリーダーは何もしない』の主題であるビジョン型リーダーシップの話にも通じるところがあると思ったので、こちらでも紹介させていただきたいと思います。

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かつて吉田茂元総理が「一流と言われる某ホテル」を訪れたときの話です。

吉田総理はホテルのトイレで手を洗ったあと、なんと洗面台のまわりにはねた水を自分のハンカチで拭こうとされたそうです。

それを目にしたホテルの従業員は、慌ててトイレの清掃担当者を呼ぼうとしました。