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英国のEU離脱が世界経済にもたらす最悪の事態

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第417回】 2016年3月1日
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不安定な世界経済の状況の中
過小評価できない欧州のリスク

英国のEU離脱は世界にとって無視できないリスクとなりつつある

 これまでギリシャの債務問題などを抱えながら、それなりに経済回復を続けてきた欧州だが、ここへ来て英国のEU離脱の可能性やドイツ銀行の信用不安の観測など、無視できない問題が浮上している。

 足元の世界経済を眺めると、中国経済の減速が一段と鮮明化する一方、サウジアラビアなど主要産油国の減産への合意形成は難しく原油価格の下落に歯止めがかからない。資源輸出主導型のブラジルやロシアなど新興国経済は不安定な展開を続けている。

 さらに、一時“シェール革命”に沸いた米国では、エネルギー関連企業の業績が悪化している。それに伴い、わが国をはじめ世界の主要な株式市場は値幅の大きなジェットコースターのような動向になっている。

 為替市場でも人民元の今後の動向などに懸念が広がっており、大手投資家のリスクオフの動きが続く。そのため、安全通貨と見られている円やスイスフランなどに買いが集まり、ドルが売られやすい状況になっている。

 そうした状況に、さらに欧州地域の問題が加わることになると、世界経済の先行きはますます先の読めない、混沌の状況に陥る可能性が高まる。その意味では、欧州地域のイベントには十分な注意を向けることが必要だ。

 特に、6月23日の英国でのEU離脱に関する国民投票に関しては、政府与党内でも意見が割れる際どい投票になると見られ予断は許されない。そのリスクを過小評価することは適切ではない。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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