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売れすぎたレガシィ改良モデル
富士重が「10万円負担」の皮肉

週刊ダイヤモンド編集部
2010年7月15日
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 月間目標販売台数のなんと4倍。富士重工業は運転支援システム「新型アイサイト」を搭載した「レガシィ」を発売1か月で2681台(5月18日~6月20日)売り上げた。高速運転時にも自動ブレーキでクルマを減速・停止させて前方車両との衝突を回避する追突防止機能は”世界初”。これが大人気なのだ。

 富士重工はもろ手を挙げて大喜び、と思いきや、”売れすぎ”が悩みの種となった。想定以上の受注でアイサイトの生産が追い付かず、配車が約1か月待ちのケースも出ている。搭載モデルの半分はエコカー補助金対象車であり、補助金は9月末で終了する。配車待ちで補助金を逃す事態に陥れば、不評を買ってしまう。

 そこで富士重工は急遽、「10万円補助金保証」キャンペーンの実施を決めた。9月5日までに成約したケースで月内に車両登録と補助金申請が間に合わなかった場合、同社が補助金支給額(13年超のクルマの廃車を伴わない場合)と同じ10万円を負担するというものだ。

 スバルファンといえば、独自の新技術を好む特徴があり、「買い換えは新型投入直後に集中する」(富士重工関係者)。それだけに投入直後の機会ロスを回避したい。そこで異例の補助金保証に踏み切った。新型アイサイトのオプション価格は従来の半額となる10万円。補助金制度か保証キャンペーンを利用すると搭載費用は丸ごと浮くことになる。

 ただ、これで安堵、とはいかない。社内で並行して急いでいるのが海外展開である。波に乗って早期に海外向けに搭載を広げたいが、各国の道路環境に合わせて開発するため、相当な手間がかかる。開発部隊もまた、対応に追われている。

 軽自動車の自社生産を終了して選択と集中を実行する富士重工にとってレガシィは会社の将来を背負う主力車だけに、社運を賭けて汗をかく夏となっている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 臼井真粧美)
 

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