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「引きこもり」するオトナたち

被災地の仮設住宅で引きこもってしまう人々

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第256回】 2016年3月10日
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震災から5年経つ一方、住民の孤独化が静かに進んでいる

 東日本大震災から5年。被災地ではいま、仮設住宅に残される人たちほど生活状況が厳しく、孤立などで課題の深刻さも見えなくなりつつある。

 今月7日にも、岩手県釜石市の仮設住宅の室内で、80歳代の女性の遺体が見つかり、同居する50歳代の息子も衰弱状態で発見されたため、病院に搬送されるという出来事があった。親子は2人暮らしで、このところ周囲の面会を拒むなど、部屋に「引きこもり」状態にあったという。

静かに進む石巻市民の孤独
仮設住宅で「引きこもり」が増えている

 筆者が震災直後からたびたび訪れている宮城県石巻市は、最大の被災地だ。約3700人の死亡・行方不明者を出し、いまも多くの被災者たちが仮設住宅での生活を余儀なくされている。貧困の度合いも深刻だ。

 「自力再建できる方々は仮設を出て行きました。一方で、課題の重い方たちが仮設に残されているような状況です」

 そう説明するのは、NPO「Switch」石巻NOTE統括プロデューサーの今野純太郎さん。石巻駅前に拠点を設けた「ユースサポートカレッジ石巻NOTE」では、復興庁の「心の復興事業」の一環で、市の郊外に「イシノマキ・ファーム」という農園を「中間的就労の場」として開園させるとともに、市内のいくつかの仮設住宅への訪問活動も行っている。

 昨年末の調査によると、石巻市内には9300人あまりがいまも仮設住宅に居住している。また、災害復興住宅の入居者は約5500人に上る。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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