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東日本大震災と北関東豪雨の被災者をつないだTシャツの絆

ダイヤモンド・オンライン編集部
2016年2月16日
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 昨年9月に発生した東北・北関東豪雨を記憶している読者は多いだろう。栃木県、茨城県、宮城県などで河川の堤防の決壊、越水、漏水、溢水などが起き、地域に甚大な被害をもたらした、過去に例のない大災害だった。

 この未曽有の災害のなか、茨城県常総市のあるTシャツプリント工場も被災した。保管してあった約10万枚のTシャツが水浸しになったのだ。被災したTシャツは、災害ごみとして扱うことができず、廃棄処分に数百万円がかかることが分かった。ならば、このTシャツを生まれ変わらせ、地域の復興のために役立てることはできないだろうか――。そう考えて、立ち上がった人々がいた。

 水浸しになったTシャツを救うべく、これまでにボランティアのべ500人が現地入りした。彼らは被災したTシャツを洗濯し、色やメーカー、サイズ、Tシャツの状態ごとに仕分けを行った。

 その結果、これまでに約2万5000枚のTシャツが救出され、「リユースTシャツ」として生まれ変わった。「常総の復興Tシャツ」や2月6日に起きた台湾南部地震のチャリティーTシャツ、ロックバンドのBRAHMANの「結成20周年記念Tシャツ」などグッズとして販売されたり、アーティストのキャンドル・ジュンさんがワークショップで使用するなど、支援の輪は今も広がっている。豪雨被害から5ヵ月たった今でも工場では、連日ボランティアによるTシャツの洗濯と仕分けが行われており、これから約5000枚のTシャツが廃棄処分を免れる見通しだ。

廃棄処分されるしかないTシャツを
東北の被災地で布ぞうりに

布ぞうりを作る岩手県陸前高田市の女性たち

 しかし、リユースできないTシャツも少なくなかった。そんなTシャツを工場から譲り受け、生まれ変わらせようという注目の支援活動も始まっている。その主役が、2011年3月に発生した東日本大震災の被災地で、Tシャツを使った布ぞうりをつくる「ふっくら布ぞうりの会」である。

 ふっくら布ぞうりの会は、震災後の2011年8月に南三陸町で開かれた布ぞうりのワークショップをきっかけに、布ぞうりに関心をもった女性たちが「南三陸ふっくら会」として活動を開始したものだ。その後、陸前高田、石巻、東松島などに活動の輪が広がり、現在35人の女性が布ぞうりを製作している。現在、彼女たちは前述したリユース不能のTシャツを使って、「常総Tシャツふっくら布ぞうり」をつくり、販売している。

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