現在、60人弱のスタッフからなるという週刊文春の編集部に行ってみた。部内は「特集班」「グラビア班」「セクション班」の3班に分かれ、いわゆるスクープ記事を担当する特集班は40人ほどで構成されている。まずは特集班の動きはどうなっているのか。

「特集班はおよそ8人ずつの5班に分かれ、毎週木曜のプラン会議でそれぞれの班の『デスク』にネタを提出します。ネタのノルマは1人5本なので、およそ200本のネタがここで寄せられます。各デスクはそれをまとめ、私が参加する『デスク会議』で発表します。ネタを細かくチェックし、すべてのネタになるべくコメントやフィードバックを与えます。そしてネタの中から、次号で掲載するラインナップを十数本に絞っていきます」(新谷氏)

 掲載ネタのラインナップが決まると、次は各ネタを担当する取材チームの編成が行われる。先述した「8人ずつの5班」というのは、あくまでネタ出しにおける便宜上の班分けであり、取材チームはネタごとに毎回編成されるという。

週200本のネタが生まれる現場で
記者の「やる気」を上げる仕組み

 取材チームは、原稿の書き手となる「カキ」と、カキをサポートする「アシ」で構成される。その際のルールとして、新谷氏は「ネタを出した記者が必ずカキを担当すること」を挙げる。

「自分の出したネタを書けるかどうかは、記者のモチベーションに大きく関わります。私たちが心がけているのは『ネタに対していかにフェアであるか』ということ。記者の経験や原稿の巧拙にかかわらず、ネタの面白さを重視し、必ずネタの提出者をカキに据えます」

 他誌では「編集者」と「ライター」のような形で、ネタ出し担当と執筆担当が分かれる編集部もあるという。しかし新谷氏は、「いいネタを取ってくれば、大きな記事を書けるチャンスがもらえる。それが情報収集のモチベーションになります」と語る。

 続いて、サポート役となる「アシ」の選定を行う。この作業において、どの記者をどの取材班に配置するかが重要となるのは言うまでもない。そこで役立ってくるのが、先ほどの会議で「すべてのネタをチェックしておくこと」だという。

「1人1人の記者の力量や適性、今のやる気や関心のあるジャンルなどは、毎週提出するネタに反映されています。それらをチェックしてデスクの間で情報共有することは、記者の状況把握につながり、後にネタごとの取材班を編成する上で参考になります。もちろん記者同士の相性も重要です」

 こうして木曜に掲載ネタとチーム編成が決まると、金曜・土曜と取材して、進捗状況を確認。ネタのラインナップや取材体制を見直した上で取材を進める。そして、翌週月曜の夜にはカキが原稿を執筆し、火曜朝に入稿し、夜までに校了。水曜は休んで、また木曜にネタを5本出す。こういった週サイクルで特集班は動いているという。