
コミュニケーションを楽しむためのコツは、相手を楽しませようとは思わないことです。
こんなことをいうと、ちょっと驚く読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも、これは本当のことです。特に、自分は口ベタだと思っている人の場合、人と楽しいコミュニケーションを取ろうと思ったら、相手を楽しませようと考えないほうがうまくいくのです。
人と話していて、ちょっと会話につまってしまったり、お互いに沈黙してしまったりしたとき、ついつい、「私と話していて楽しんでもらえてるんだろうか」と考えてしまうことがあります。
でも、いったんそう考えてしまうと、もう会話を楽しむどころではなくなってしまいます。必要以上に相手の反応が気になってしまって、ちょっとしたことで「あぁ、やっぱり私の話はつまらないんだ……」と思いこんでしまうのです(これは私自身の経験でもあります。私はこうした失敗を何度もして、そのたびに自己嫌悪に陥っていました)。
そうした不安や猜疑心は、すぐに相手に伝わってしまいます。こちらの感情は、それがネガティブなものであればあるほど、自分で思っている以上に、相手に敏感に察知されてしまうものなのです。
そうなってしまったら大変です。こちらの不安は相手に伝染してしまいます。本当は楽しんでくれていたはずの相手でも、「あれ、何かおかしいな……」「私といるのが面白くないのかな……」と思うでしょう。その結果、楽しいはずの会話が、なんだか後味の悪いもので終わってしまうことにもなりかねません。
私自身、「何とか相手を楽しませなければ……」と考えて、いろいろ工夫してみたことがありますが、でも、いま考えると、その当時の私はずいぶんと高望みをしていたんだな、と思うのです。
というのは、口ベタで人とうまく話せなかった私が、相手を楽しませようなどと考えるのは、あまりに無謀だったのではないかと思うからです。
ですから、私がいま心がけていることは、とにかく自分が楽しむことです。相手が楽しんでくれているかどうか、本当のところはその当人にしかわかりません。ですから私は、そんなことを気にするよりも、まずは自分自身が心から相手との会話を楽しむことをいちばんに考えています。
定価(税込):1,575円 発行年月:2012年5月
<内容紹介>
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