日本では、新品時だけ価格が異常に高く、中古になると値段が大きく下がる。

だが、それを使うときの価値は新品とさほど変わらない。この中古価格と使用価値との歪みに着目すれば、誰でもお金持ちになれるというのが『ベンツは20万円で買え!』の内容だ。「新品神話」を抱く日本人に多くのヒントを与えるエッセイの一部を紹介しよう。

2万5000円だったら何でもできる!
ボロいクルマだからこその使い方とは?

2万5000円で買ったパジェロミニは、若くてきれいなお姉さんが乗っていたとは思えないほど、下の部分がボロボロに錆びていた。女性のほうがマシンの手入れをしないようだ。せっかく買ったので、国道沿いの開拓した更地を走り回って、土地の転圧のために使っている。

 調子に乗って、大雨の日に転圧していたら、勢い余ってドロの中に埋まってしまい、脱出不可能になった。20分くらい奮闘したが、あきらめて徒歩で帰宅しようと思った。

 しかし、ふとJAFに加入していたことを思い出し、ドロに埋まったクルマの中から電話を発信。35分後に、ランクルが到着。ウインチでドロの中から引き出してくれた。1000円のチップを渡し、無事解散。このとき、JAFのお兄さんがスーパーヒーローに思えた。

 いくら4WDでも限界がある。腹をこすって、タイヤが地面に接地していなければオワリだ。運転には十分な注意が必要だ。このときは、マシンに予備のお茶を積んでいたので、救出までの間、じっと待機できた。JAFに加入することと、マシンには予備の飲み物と食べ物を積んでおくことをオススメする。

 ただし、2万5000円のマシンなので、ハードなプレイでマシンが壊れてもあきらめがつく。悟りの境地である。新車のランクルやメルセデスのGクラスであれば、もったいなくて、こんなプレイはできない。オフロード車は、荒れた路面で走り回ってこそ真価が発揮できる。