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シャープに続き東芝も!
家電事業の国外身売りは経営の失態だ

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第420回】 2016年3月22日
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3月17日、東芝は白物家電事業の中国の美的集団への売却で基本合意した Photo by Takahisa Suzuki

東芝の家電事業は中国企業へ
シャープは台湾企業傘下へ

 不正経理問題に揺れる東芝は、同社の白物家電事業を中国の美的集団(ミデア・グループ)に売却することで基本合意したと発表した。経営不振に陥ったシャープは、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入り再建を目指す模様だ。

 これまでにも、三洋電機が冷蔵庫部門などを中国のハイアールに売却、米国のゼネラル・エレクトリック(GE)が家電部門を同じくハイアールに売却するなどがあった。

 これらはいずれも自社のブランドを確立した有力メーカーが、競争力を失いつつある家電部門などを新興のアジア企業に売却するケースで、中国や台湾などの企業の勢いが鮮明化する一方、わが国や米国などのメーカーの退潮を印象づける出来事だ。

 そうした動きの背景には、売却側にとって、事業部門を切り売りするなどして財務内容を立て直さなければならない事情がある。特に、東芝やシャープでは、企業の存続を懸けてキャッシュを捻出する必要があると見られる。

 事業部門を買収するアジア企業の新興企業にとっては、多額の買収資金を出せる財務体質を作り上げたことに加えて、しっかりした技術や確立したブランドを手にするメリットがある。

 今後もそうした動きは出てくるだろう。問題は、わが国企業が、売却する家電事業に代わる収益チャンスを作り出せるか否かだ。それができないと、企業の規模が縮小し、経済全体も縮小均衡を目指すことになりかねない。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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