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絶滅危惧種なお仕事ガイド

“お仕事”というよりむしろ“修行”?
「組み立て1個=15銭」でも内職が快適なワケ

曲沼美恵 [ライター]
【第2回】 2010年7月22日
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 「洋裁の内職ができる方を探しています」という貼り紙を、街で見つけた。グーグルで「内職」というキーワードを検索すると、約1880万件のヒット。

 内職シゴトは、今もあるのか?

「値札のひもつけ」から「洋服の縫製」まで様々
“経験いらず”のおシゴトは単価1円以下も

 東京都江戸川区のホームページに、それを調べるのにもってこいの求人一覧表があった。

 じつは、東京区部(渋谷区を除く)と三鷹市にはそれぞれ、内職相談の窓口がある。事業の目的は自治体によってまちまちで、担当部局も大きく、産業支援関係と福祉・生活支援関係に分かれている。

 1955年(昭和30年)度、旧労働省がつくった「内職公共職業補導所設置要項」に基づき、最初は都が内職に関するもろもろの事業をしていたが、1979年(昭和54年)度に区の事業に移管された。現在も、それが名を変え、形を変えて残っている。

 江戸川区の窓口は、「ほっとワークえどがわ」という。内職者を募集している業者から求人情報を受け取り、あらかじめ登録してある区民にそれを紹介する。求人一覧表は、この「ほっとワークえどがわ」のページで公開されていた。

 「補導」と言われると、不良少年少女のようにささくれ立った気分になるが、「ほっとワーク」なら、文字どおりほっとする。行ってもほっとしないかも知れないが、とりあえず、「行ってみよう」という気にはなる。相談には、やはり、入り口からやさしく迎え入れる気持ちが肝要、だ。

 それはさておき、求人の中身である。件数は全部で36件ある。ほかの区も調べたが、公表しているなかでは、あってもせいぜい8件、9件というところだったので、36件はかなり多い。

 表は大きく「経験のいらない内職」(15件)と「経験を必要とする内職」(21件)に分かれている。まずは「経験のいらない内職」から。

 「ビデオ・カメラの部品組み立て(一工程1.5円~8円)」
 「値札のひもつけ(一個70~80銭)」
 「ミシン掛け(一本44円)」
 「ゴムのバリ取り(1個0.4~10円)」
 「メッキ部分取り付け(一個30銭~40銭)」
 「ボールペン等の組み立て(15銭~)」
 「イルミネーション電球加工(一個0.3~2円)」

 「昭和か!」と、思わず突っ込みたくなる相場。

 「楽して稼ごうなんて思うなよ」と、ドスのきいた声で戒められている気持ちにもなる。

 気をとりなおして、今度は経験を要する内職の方へ目をやる。

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曲沼美恵[ライター]

1970年生まれ。大学卒業後、日本経済新聞社に入社。2002年からフリーに。近年はビジネス誌やウェブサイトで、ルポルタージュやインタビュー、コラム等を執筆。近著に『メディア・モンスター:誰が黒川紀章を殺したのか?』(草思社)がある。仕事に関する情報はブログでも紹介中。「ニュース」より「人」に興味あり。

 


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「もう食えないかも」「このままだと絶滅」と言われる産業に従事する人々のなかにも、実は意外にしぶとく生きている人たちがいる。日本一でもなく、世界一でもない、「最後の下駄屋になること」を目指して働く職業や人々を追いかけ、「崖っぷちの中に見える希望」を探る。

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