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本塁上の衝突回避新ルールでプロ野球はどう変わる?

相沢光一 [スポーツライター]
【第389回】 2016年3月22日
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 今週末(3月25日)にプロ野球が開幕するが、今季は試合展開と見どころが大きく変わりそうだ。ホームベース上のクロスプレーにおいて、ランナーとキャッチャーの衝突を避けるための「コリジョンルール」が適用される規則改定が行われたからだ。

 ホームベース上のクロスプレーは、野球では数少ない敵・味方の選手同士がぶつかり合うシーン。とくに1点を争う試合では、観客が息をのんで見つめる最高の見せ場だ。攻撃側のランナーはなんとかホームインしようと猛然と突っ込んでくる。守備側の野手はそれを阻止しようと懸命にバックホーム。ホームベース上で待ち受けるキャッチャーも捕球した瞬間、ブロックに入る。体と体がぶつかり合い、アウトかセーフか、球審のコールを待つ、というシーンだ。

 とはいえ、その一方でこのプレーには常にケガの危険がつきまとった。とくにキャッチャー。タイミング的にアウトの可能性が高い時、ランナーのなかにはキャッチャーの落球を狙って体当たりする選手もいる。そのプレーで骨折する選手は少なくなかったし、乱闘や両チームの遺恨に発展するケースもあった。野球は格闘技ではないし、こうした危険なプレーを温存するのはよくない、ということで衝突回避のルールが採用されたわけだ。

3塁ランナーに有利、
キャッチャーに不利な改正

 このコリジョンルールをいち早く採用したのはMLBだ。アメリカの野球ではホームベース上での体当たりが当たり前だったが、2011年、サンフランシスコ・ジャイアンツのバスター・ポージー捕手がランナーのタックルを受けて左足首靭帯断裂の重傷を負った。前年の新人王のポージーが重傷を負ったということで、このプレーの是非を問う議論が沸騰。タックルをした選手に対する脅迫事件などもあって、MLBも衝突回避のルール改定に乗りだし、2014年から採用することになったわけだ。

 これまでの日本の野球規則にも、キャッチャーがボールを持っていない時(バックホームを待っている時)には、ホームベースの真ん中から右側に立ち、ベースの左半分を走者に見せ、走路を開けておかなければならないルールはあった。が、ボールを受けた後は左側に体を移してブロックしてもよいことになっており、そのための足の運び方や走者を待つ体勢の指導もされていた。そのためホームベース上の衝突が起きていたわけだ。

 今回のルール改定では、ボールを受けた後もベースの左側に入ってはいけなくなる。三本間の塁線上にいたということで走塁妨害になり、セーフになるのだ。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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