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ある日突然、親の介護が始まった!

親の介護は、会社に隠せば隠すほど深刻になる

小出真由美 [日本マンパワー 人材開発企画部 研究開発グループ 専門課長]
【第2回】 2016年3月24日
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親の介護、会社では誰にも話せずに悩んでしまっていませんか?

前回は、普通の会社員がある日突然、自分には関係ないと思っていた親の介護問題に直面することになった話を見ていきました。

 介護は老衰した人が受けるもののというイメージを強く持つ人が多く、自分の親は元気でピンピンしているから大丈夫と、親の年齢も考えずに、他人事に捉えてしまう人は少なくありません。

 しかし、今回のケースのように、事故や怪我から入院となり、寝たきりで不自由な生活をしているうちに、介護が必要になることもあります。また、脳卒中などの病気で、緊急入院となり、そこから始まることもあります。もちろん、じわじわと物忘れなどが多くなり、認知症から介護が必要ということもあるでしょう。つまり、どのように介護が始まるかは人それぞれですが、今、大丈夫だからといって、決してこの先もずっと大丈夫という保障はないのです。

 介護は、自分の親の問題であるため、避けて通ることはできません。また、普段から何も考えていないと、必要以上に動揺します。

 気がつくといつの間にか始まっている介護。親が元気な今の段階で様々な情報を知っておき、いざその時にはどうするか考えてくことがとても重要なのです。

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怪我をきっかけに老いが深まった母

 私はすっかり日常生活に戻っていた。仕事は毎日忙しく、仕事に没頭しているときは、高齢の両親の問題も忘れることができた。

 母の入院生活は、高齢のせいか回復も遅く、結局2ヵ月の長期となった。

 また、入院してからの母は、痛みからか、ほとんど動かなくなっていた。そのため、リハビリも嫌がり、自力で歩くのを放棄するかのように、移動は車椅子に乗りたがった。あまりに痛がるし、歩くことが不安そうなため、もう高齢だから仕方ないかという気持ちも働き、私もそのままにしていた。それがこのあとどういうことに繋がるか、深く考えていなかったのだ。

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 このように元気だった親が怪我で入院をきっかけに動けなくなることで、急に老いが深まることがあります。つい、若い人のように、また健康に戻り、以前の生活ができると信じて、入院期間を回復のプロセスと考えていると、実は回復どころか、自立生活の後退のプロセスをたどっていて、退院後介護の道まっしぐらということも起こります。

 もちろん、高齢ですから、若い人に比べると回復が遅いということや、無理が利かないことも多いでしょう。しかし、寝たきりの生活が、これまでできていた日常生活に必要な行為(食事・排泄・歩行・着替え・入浴など)を少しずつ衰えさせていくとなると問題です。高齢だからこそ、「治療から回復のプロセス」を身内が見守り、支えていく必要があります。それが、介護にならないためには重要で、結局は、本人のためであり、家族の今後にもつながります。

※高齢者の要介護者等数は急速に増加しており、特に75歳以上で割合が高い。
介護保険制度における要介護者又は要支援者と認定された人(以下「要介護者等」という。)は、平成24(2012)年度末で561.1万人となっており、13(2001)年度末から262.8万人増加している。そのうち、65歳以上の人の数についてみると、24(2012)年度末で545.7万人となっており、13(2001)年度末から258.0万人増加しており、第1号被保険者の17.6%を占めている(下記グラフ参照)。

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小出真由美[日本マンパワー 人材開発企画部 研究開発グループ 専門課長]

株式会社日本マンパワーで、女性向けのキャリア研修として、女性がライフイベントをポジティブに捉え、自分の軸を持つことで、働く上でのキャリアをどう描くか等をテーマにした研修を開発。その傍ら、産業カウンセラー、キャリア・デベロップメント・アドバイザー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種マスターコース、ワーク・ライフ・バランスコンサルタントなどの資格を持ち、組織内のキャリア、メンタルヘルス、ワーク・ライフ・バランスの施策のコンサルティングや、各種セミナー講師も行っている。
日本マンパワーHP

 


ある日突然、親の介護が始まった!

組織の屋台骨である40代以降の社員の離職が増えています。親の介護と気疲れ、疲労が離職の理由というケースです。この連載ではある会社員男性に突然起こる介護の問題を中心に展開しながら、介護の現状や自分の役割を考え、うまく仕事と介護を両立するためのポイントをお伝えします。

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