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野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

-3.3%で済むはずがない! 甘過ぎる日本政府の経済成長率見通しの裏にあるもの

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第19回】 2009年4月25日
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 日本経済の今後にとって重要なのは、輸出の動向だ。4月22日に発表された貿易統計では、3月の輸出額は、約4.2兆円となった(【図表1】)。各地域について、2月の数字を上回っている。

【図表1】日本の輸出額の推移

 ただし、輸出額は、例年1月は低く、2月は日数が少ないという季節変動がある。このため、原数値だけからは変化の趨勢を判断できない可能性もある。そこで、昨年の値を見ると、1月の値は3月の83%だ。09年も同じ比率である。したがって、輸出は下げ止まったと考えてよいだろう。

 この連載の第18回では、3月の輸出額を約3.8兆円と予測していた。また、先日刊行した『未曾有の経済危機 克服の処方箋』の補章(p.323)でも、そのように予測した。実際の数字は、これよりかなり大きい。

 昨年10月以降続いていた日本の輸出の急減は、明らかに終わった。これは、第18回に述べたように、アメリカの経常収支赤字がほぼ半分のレベルまで減少したことによる。日本経済は、半年ぶりに大きな転換点を迎えた。

 ただし、これは「落ち込みが終わった」ということであり、「回復する」ということではない。02年以降の日本の輸出の急増は、アメリカの住宅バブルと円安バブルによって支えられたものであり、それが再現するとは考えられないからだ。日本の輸出額はこれまでの半分近い水準に落ち込んでいるが、今後多少の増加はあっても、元の水準には戻らないだろう。したがって、これまで拡張した生産能力を所与として需要を追い求めても、実現できない。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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