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医療・介護 大転換

保育園問題解決のヒントは「介護保険」にあった!

財源を確保し「育児保険」導入を

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
【第52回】 2016年4月13日
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社会的支援を必要とするのは介護も保育も同じ

「社会的支援」を考えないと解決は難しい

 「保育園落ちた日本死ね!!!」。匿名ブログがさまざまの待機児解決策を生み出しつつある。小規模保育園の定員増や一時預かりの定期利用などのアイデアだ。お金のかかる保育園本体の増設を避けて、既存施設への「詰め込み」と批判されているが、ともかく前向きの一歩ではあろう。

 保育園への入園に不安を抱えた家族は複数の子どもを育てることに躊躇しがちで、少子化の流れを加速させてしまう。年間の出産数が100万人ギリギリの状態なのも頷ける。

 何しろ、団塊世代は年間270万人も誕生していた。隔世の感だ。その団塊世代が2025年になると一斉に後期高齢者、75歳以上に達し介護保険と医療保険の利用が一段と増える。

 彼らを支える世代がこれほど減ってしまうのだから、政策の重点を何処に置いたら良いのかは火を見るより明らかなはず。

 介護保険が始まって以来、高齢者ケアへの関心は急速に高まっているが、表裏の関係にあるはずの子育て、育児の問題はほとんど素通り状態。共に、何らかの社会的支援を必要とする家族にとっては全く同様の問題である。なぜ、育児に介護と同じような保険制度など社会的なシステムが考えられないのだろうか。

 まず、介護保険の仕組みを視野に入れながら、現行の育児、保育を見て行こう。

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浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]

あさかわ・すみかず/1948年2月東京都中野区生まれ。東京都立西高校から慶應義塾大学経済学部に。1971年日本経済新聞社に入社。小売り・流通業、ファッション、家電、サービス産業などを担当。87年に月刊誌『日経トレンディ』を創刊、初代編集長を5年間勤める。93年流通経済部長、95年マルチメディア局編成部長などを経て、98年から編集委員。高齢者ケア、少子化、NPO活度などを担当。2011年2月に定年退社。同年6月に公益社団法人長寿社会文化協会常務理事に就任。66歳。

 


医療・介護 大転換

2014年4月に診療報酬が改定され、ついで6月には「地域医療・介護総合確保推進法」が成立した。これによって、我が国の「医療」「介護」大転換に向けて、第一歩が踏み出された。少子高齢化が急速に進む中で、日本の社会保障はどう大きく変革するのか。なかなかその全貌が見えてこない、医療・介護大転換の内容を丁寧に解説していく。

「医療・介護 大転換」

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