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熊本支援に楽しく買える銘品たち
米、みかんからバイクまで!

和泉虎太郎 [ノンフィクションライター]
2016年4月20日
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いまだ地震活動が収まらない熊本地震。被災地への救援物資や募金など、「自分ができること」を探している人は多いだろう。熊本の名産品を買うことも、大きな支援につながるはず。どんな銘品があるのか、熊本県出身ライターが解説する。

温州みかん発祥の地
柑橘類栽培に一家言ある熊本

長蛇の列ができ、入館30分待ちだった東京・銀座の「銀座熊本館」。“買って支援”は近年注目されつつある、新しい被災地支援の形だ

 4月19日の昼下がり。東京・銀座の数寄屋橋交差点からほど近い一等地にある熊本県の物販施設「銀座熊本館」前には100人近い客が列を作り、30分かけて整然と入場を待っていた。平日の昼間ということもあり、その多くは中年女性であったが、問わず語りに「熊本のモノを買って、少しでも役に立ちたい」。

 ここ20年で日本を何度か襲った大災害を経験して、日本の社会は支援とは何かを学んでいった。静かに自然発生的にモノを買って支援するという人の集団の出現は、こうした学びから生まれた新しい日本人のかたちとも見られなくもない。

 激甚災害に見舞われた熊本の復興を、モノを買うことで支援したい。それだけでなく、これを機会に彼の地を知るすべとはならないか。本稿では、熊本を色濃くまとったものを厳選した。

<デコポン> 1個1000円程度

 まずは農産物。熊本県は県民総生産に占める第一次産業の構成比が3.4%と全国平均1.2%の3倍近くで、生産額ベースでの食糧自給率が154%、農業が主要な産業である。なかでも生産額全国首位の産品としては、トマト(全国シェア18.3%、以下同)、スイカ(16.7%)などがあるが、県民の多くがこだわるのはみかんである。

 現在、冬の果物としてなじみ深い、いわゆるみかん、正確には温州みかんは、江戸時代に肥後の地(現在の熊本県)に伝わった柑橘の種から偶然発生したとされる。そこから和歌山県、静岡県、愛媛県など、現在の主要産地に広がっていったのは明治以降である。

 いわば、熊本県は本家本元。その誇りは高く、生産量こそトップではないが、高級品づくりではこだわりまくっている。一大産地であるのが熊本市北部の西区河内町。ここで作られるみかんは古くから河内みかんの名で知られていたが、地元の農協は2000年に「夢未来みかんくまもと」のブランドを立ち上げ、品質管理を徹底して全国で売り出している。都内でも8~10個で500円以上の値段が付けられているから十分に高級品と言えるが、出回るのは2月くらいまで。

 4月時点で全国で手に入る熊本名産柑橘類は、別にある。デコポンだ。冬から6月くらいまで市場に出回るデコポンの熊本県の生産量は全国1位(31.7%)、じつは、デコポンは熊本県果実農業協同組合連合会が管理する登録商標である。一定の基準を満たし指定された農協を通したものだけがデコポンを名乗ることができる。そうでなければ正式品種名の不知火か、あるいはデコタンゴールなどを名乗るしかない。デコポンと呼ばれるだけで、それは高級品の証なのである。

 デコポンはオレンジと温州みかんとインド原産のポンカンを掛け合わせて1970年代に生まれ、栽培が広まった新品種である。特徴は、その外観。木に繋がる部分が不細工に膨らみ(これがデコポンのいわれとなる)、外皮はざらざら。見た目はとてもうまそうではないのだが、甘みと水分がたっぷりだ。皮は剥きやすく、中皮は薄くてそのまま食べられる。

 オレンジのようなコクと温州みかんのさわやかな甘み、あふれるほどの果汁は、食べやすさと相まって一度食べたら忘れられない逸品だ。4月18日時点で都内の百貨店では1個1000円以上の値段が付けられていた。

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和泉虎太郎[ノンフィクションライター]

いずみ・こたろう/1961年、熊本市生まれ。1991年より20年間、ビジネス系雑誌で地域経済などを担当し、日本の各都市の多様性に驚き、統計の数字に耽溺する。地方都市の取材にかこつけて全国で入りまくったサウナは700カ所を超える。


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