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熊本地震・災害医療支援の対策本部に聞く、避難所の医療課題

井手ゆきえ [医学ライター]
2016年4月20日
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4月14日21時26分熊本県で発生した震度7の地震は、その後も断続的に続き、16日未明1時25分、震度6強の『本震』が疲れ切った被災者と救助活動に従事する人々を襲った。翌17日、徳洲会災害医療救援チーム(TDMAT)を前身とする災害医療救援活動団体、特定非営利法人TMATの「熊本地震災害医療本部」がある福岡徳洲会病院に訪ねた。(取材・撮影・文/医療ライター 井手ゆきえ)

整然と書き込まれたホワイトボード
慌てた様子がまったくない対策本部

 粛々と作業が進められていた。16日未明の本震を受けた対策本部は混乱を極めていた、と思いきや、現在動いている医療チームの所在地、人員、ルートがホワイトボードに整然と書き込まれ、慌てた様子はまったくない。

福岡徳洲会に設置された本部で現地情報の収集・集約・司令を統括) Photo by Yukie Ide

 携帯電話の呼び出し音がひっきりなしに鳴り響いてはいるものの、必要な資材、医薬品の種類を確認する倉掛真理子看護部長やロジスティックス担当・野口幸洋TMAT事務局長の声が途切れないことが緊迫感を伝えるのみだ。

 倉掛看護部長の「抗生剤」「子どもの浣腸」という声が耳に入り、避難所生活の衛生環境や小さな子どもの食事に考えが飛んだ。

 取材時点で被災地入りしているチームは、最も被害が大きい南阿蘇地域にいる3チームと、医療空白地帯に陥っていた御船町を拠点とする1チーム。看護師チームは地震直後から入所者につきそっていた南阿蘇の老人ホームの職員と交代し、当直業務を引き受けている。

現地チームからの昼の定時連絡で安否確認と必要な物資、人員を把握

 さらに力合小・中学校で2チームが17日早朝から診療を開始した。また、神戸徳洲会病院チーム、生駒市立病院チームがそれぞれ救急車に乗り込み、湘南藤沢徳洲会病院チーム、成田富里徳洲会チームからの人員を合わせて15名が福岡の本部に向かっている最中だという。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 


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