ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
こじらせない離婚
【第2回】 2016年4月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
原口未緒 [弁護士]

夫が不貞。慰謝料請求のリアル
離婚をこじらせない方法(その2)

1
nextpage

大反響! 9万人が読んだ離婚ストーリー、完結編。

ぜひ、前半の「職場の後輩に夫を寝取られた妻の『復讐』」からご覧ください。

離婚を考えた妻は、何を考え、どう行動するのか? 自分にとって理想的な形で着地する方法を公開したフィクション仕立ての離婚指南書『こじらせない離婚』から、夫が知っておきたい1つのストーリーを紹介します。

相手を苦しめるなら
自分も同じだけ傷つく覚悟が必要

あまりおすすめしたくはないのですが、久美さんがどうしても「2人を困らせたい」と主張するのであれば、私は「パーティだと思って徹底的に楽しめるのであれば、やりましょう」と提案するつもりでした。

もし久美さんが2人を困らせたいと思うのであれば、たとえばご主人とは離婚せず、さゆりさんだけを訴えて慰謝料をとるということもできます。今回の場合、ご主人側からの離婚の申し立ては「有責配偶者からの離婚請求」にあたるので、久美さんが拒めば離婚は成立しません(※有責配偶者というのは、婚姻関係の破綻にいたる原因を作ったほうを指します。この場合は久美さんのご主人がそれにあたります)。

ですから、久美さんが離婚を拒み続けることができます。別居期間が数年以上経過して「実質的に婚姻関係が破綻している」とみなされるまでは、裁判になっても離婚は認められないでしょう。

けれども、実際にさゆりさんに慰謝料を請求して、かつ離婚を拒むことになれば、それはある種の戦争になります。もちろん相手を傷つけることはできるでしょうが、自分自身も同じくらい傷つきます。それでも最後に一泡吹かせたいと割り切って、ネタにする覚悟があるのであれば、やってもいいのではないかと思います。

しかし、当然ながらご主人との関係はより悪化しますし、時間的にも精神的にもかなりの負担になります。金銭的にも、早期に合意するよりは、受け取れる金額が減ることを覚悟しなくてはなりませんし、弁護士費用もかかります。

 「さゆりから慰謝料を取ってやりたいという気持ちは正直今でもあります。公私にわたって迷惑かけやがってって思いますから。でも、それで夫が反省するとか、私のところに戻ってくるとは思えないんです。むしろ、余計、さゆりを守ろうとしますよね」

「その可能性はありますね」

「どうせ修復できないのであれば、ちゃんと慰謝料をもらって別れようと思います」

今回のことがあるまでは、姉弟のように仲が良かったというご夫婦です。本当は久美さんも、これ以上ご主人との関係を悪化させたくないという気持ちがあるのでしょう。久美さんはランチを食べているとき「昨夜は一睡もできなかった」と言っていました。最初に事務所に来たときには、昨夜の理不尽な怒りをずっと引きずったままだったのかもしれません。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


原口未緒(はらぐち・みお) [弁護士]

弁護士。1975年東京都生まれ。98年学習院大学法学部卒業、2003年弁護士登録。都内法律事務所にて民事、商事、家事、刑事、倒産処理など多様な案件を扱う。08年、北海道の法律事務所へ赴任。地域唯一の弁護士として主に債務整理案件を担当。

10年に独立し、未緒法律事務所を開所。夫婦・離婚案件を主に扱い、相談件数は350を超える。13年より業務にコーチング・カウンセリング・セラピーなどの手法を取り入れ、「心もケアする弁護士」として奮闘中。自身も離婚経験がある。本書が初の著書。

 


こじらせない離婚

なぜ、日本では3組に1組の夫婦が離婚するのか? そしてなぜ、離婚はドロ沼化してしまうのか? 自分にとって理想的な形で着地する方法を公開した、フィクション仕立ての離婚指南書『こじらせない離婚』のエッセンスをお伝えする連載。

「こじらせない離婚」

⇒バックナンバー一覧