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政局LIVEアナリティクス 上久保誠人

首相43歳、財務相39歳――なぜ英国は若手指導者が誕生し、日本は”老人支配”なのか

上久保誠人 [立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長]
【第55回】 2010年8月10日
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 参議院議員選挙後の臨時国会が閉会し、政局の焦点は「民主党代表選挙」に移った。民主党内では菅直人政権への批判が高まり、海江田万里氏(61歳)、小沢鋭仁氏(56歳)など、中堅議員が立候補を模索し始めている。

 しかし彼らは、これまで民主党を率いてきた菅首相(63歳)、鳩山由紀夫前首相(63歳)、小沢一郎前幹事長(68歳)らと、年齢的には変わらない。ただ、国会議員になるのが遅く、キャリア的に中堅というだけだ。

 自民党では「参院自民党会長選挙」がある。当初、尾辻秀久参院自民党会長が若返りのために林芳正参院政審会長(49歳)を公認に抜擢しようとしたが、谷川秀善参院幹事長(76歳)が猛反発し、選挙戦に突入した。谷川氏は町村・古賀・額賀の3派閥の支持を取り付けて票固めし、若手・中堅は中曽根弘文前外相(64歳)を担ぎ出そうとしている。

 結局、民主党も自民党も「世代交代」にはいまだ道険しだ。一方、5月の英国総選挙で誕生した新政権には、ディビッド・キャメロン首相(43歳)、ニック・クレッグ副首相(43歳)、ジョージ・オズボーン財務相(39歳)、ウィリアム・ヘイグ外相(49歳)と、若手がずらりと並んだ。

 敗れた労働党でも、ディビッド・ミリバンド前外相(44歳)が次期党首の最有力候補で、その対抗馬が、なんと弟のエド・ミリバンド(40歳)だ。英国では、与野党ともに40代前半の若手が指導者となる。今回は、英国政治ではなぜ若手の指導者が誕生するのかを考察する。

政権交代ある民主主義が
世代交代を促進する

 このテーマについては、既にいくつかの論考を書いており、結論は「政権交代のある民主主義が政治リーダーの『世代交代』を促進する」であった。総選挙で政権交代が起こると、敗れた政党が、次回の勝利を期して、若手を抜擢してフレッシュな執行部を作り、国民にアピールするからだ。

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上久保誠人 [立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長]

1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。博士論文タイトルはBureaucratic Behaviour and Policy Change: Reforming the Role of Japan’s Ministry of Finance。

 


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「大物政治家に話を聞いた」「消息通に話を聞いた」といった大手マスコミ政治部の取材手法とは異なり、一般に公開された情報のみを用いて、気鋭の研究者が国内・国際政局を分析する。

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